『在りし日の歌』を起点に語る中国映画の現在 「やや不満なところも…」

『活弁シネマ倶楽部』最新回では、“中国第6世代”の一人であるワン・シャオシュアイ監督による『在りし日の歌』をピックアップ。

活弁シネマ倶楽部
(画像提供:レプロエンタテインメント)

「映画を語る」配信番組『活弁シネマ倶楽部』最新回では、“中国第6世代”の一人であるワン・シャオシュアイ監督による『在りし日の歌』をピックアップ。

当番組お馴染みのMC陣である映画評論家・森直人氏、映画ジャーナリスト・徐昊辰氏、映画ライター・月永理絵氏の三者が集い、本作を起点に“中国映画の現在”について語っている。


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■本作の「食事シーン」を絶賛

この収録は本作の公開直後に行われたもので、それから新型コロナウイルス感染拡大防止による緊急事態宣言のため、劇場が閉館し、上映が中断となっていた。

本作のチラシにコメントを寄稿したという月永氏は「壮大かつ重い物語やテーマに対して、撮影が素晴らしい。被写体との絶妙な距離感がこのドラマに相応しく、そこに感動した」とまず感想を語っている。

とくに、本作における「食事シーン」については絶賛。ホウ・シャオシェンら、「食事シーン」 を描く名手の名前も挙がり、これには森氏も徐氏も賛同し、盛り上がりをみせた。

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■徐氏「やや不満なところもある」

中国の激動の時代を背景に、30年に及ぶ夫婦の絆を描いた本作。『薄氷の殺人』のワン・ジンチュンと、『黒衣の刺客』のヨン・メイが、長年連れ添う一組の夫婦のかたちを繊細に演じ、第69回ベルリン国際映画祭では、最優秀男優賞と最優秀女優賞をダブル受賞するなどの快挙を成し遂げた。

さらには本作で3度目となる、ベルリン国際映画祭銀熊賞の受賞を果た し、名匠としての地位を確固たるものにしたワン・シャオシュアイ監督だが、中国出身の徐氏は、「すごく良くできている作品ですが、やや不満なところもある」と述べている。

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■不満な点の理由は…