長野県の由緒ある観光地が大打撃 「何とか生き延びて回復を待ちたい」

新型コロナによる影響で、観光客が消えた長野県の小さな町の今を追った…

2020/05/27 09:40

■歴史ある菓子店から客が消えた

市内には、栗を使った菓子店が7件ある。200年の歴史がある桜井甘精堂は、菓子だけでなく、飲食業も営んでいる。

桜井社長は、「首都圏や大阪などから観光客がやってきて、まず町内の散策を楽しむ。その間、食事をし、最後にお土産を買って帰るという、観光客にとっての『一連の思い出』がすべて絶たれてしまった」とこぼす。

桜井甘精堂店外風景
(写真提供:桜井甘精堂)

栗を潰して作ったようかんや、栗の含有量が多い商品ラインナップなため、どうしても原価が高くなってしまう。そのため、贈答用やお土産用の商品が多いそうだ。しかし、デパートが休業したり、観光客の流入が止まってしまったことで、売上が大きく落ち込んでいるという。

桜井甘精堂メニュー
(写真提供:桜井甘精堂

飲食店のほうでは、テイクアウトも行っているが、いっときに客が集中し忙しい割りには、思うような売上につながっていないとのことだ。


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■通販事業拡大に挑戦

そこで、力を入れていこうとしているのが、通販事業だ。栗菓子の専門店が作った、まるで栗そのものを食べているようなモンブラン。国産栗でつくった風味豊かなモンブランペーストをたっぷりかけた、一番人気のケーキを瞬間冷凍させて、家庭などに届ける。

モンブラン
(写真提供:桜井甘精堂)

また、贈答用ではなく、普段食べられるようなお菓子を開発し、今週から販売を開始する。最後に桜井社長は、「通販事業で何とか生き延びて、今後の回復を待ちたい」と従業員120名を抱える経営者の想いについて語った。

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(取材・文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部

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