他人のベンツの窓を叩き割った男が放免に 警察が味方した正当な理由とは

「すぐに戻ってくるから大丈夫」。その油断の末にたくさんの悲劇が起きている。

2020/05/24 13:00

自動車・窓ガラス・割る
(Manuel Faba Ortega/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

グシャ、グシャという鈍い音とともに、無残にも叩き割られた高級車のウインドウ。被害者はその行為に逆上し、警察に通報したが、駆けつけた警察官は男を「無罪放免」とした。


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■砕け散ったベンツの窓

英国ウィルトシャー州のスウィンドンで18日午前10時すぎ、メルセデスベンツの後部座席の窓を叩き割った男がいた。

気づいたベンツの所有者はただちに通報。しかし、駆けつけた州警察の職員2名は鈍器を手にした男の罪を問わず、代わりに「被害者」を睨みつけた。なぜなら彼は、車内に生後14週のテリアのミックスを残して買い物に夢中だったのだ。

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■外気は20℃でも日差しで…

日差しが徐々に強くなっていた当時の駐車場。動物愛好家の男は「飼い主はいつ戻って来るのだろう。車内が暑くなれば子犬は死んでしまう。助けたい一心でベンツの窓を叩き割ってしまった」などと釈明し、警察官はそれに理解を示した。

一方、ベンツの所有者は、高級車に対するあり得ない粗暴な行為、器物損壊だと激怒。しかし警察官は、彼に「車内の温度はどんどん上昇する。窓も開けず、エアコンもかけずにペットを車内に残すのは動物虐待。買い物に夢中になっていた、あなたのほうが悪い」と厳しく諭した。

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■「すぐ戻る」はずが…

駐車場に停めた車内に幼い子供やペットを残し、「すぐに戻るから」と言って店に向かう大人たちがいる。だが「たったの5分」の予定が、品切れで在庫を確認してもらう、レジが混んでいるなど、店の状況によって狂うことはいくらでもある。

英国動物虐待防止協会(通称RSPCA)はこの件に関し、「動物愛好家がそういう状況に遭遇したら、誰もが咄嗟に同じような行動に出ることでしょう」とコメントしている。


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■証拠写真でトラブル回避を

ペットを我が子同様の存在とみなし、車内への置き去り行為を法で罰する国もある。たとえばアメリカでは、そうした状況下でペットを熱中症にさせた飼い主が、動物虐待の罪に問われることは少なくない。

ただし動物を助けたい一心であっても、他人の車の窓を叩き割る行為については冷静さ、慎重さが必要だ。トラブルを回避するためにも、車内で動物が喘いでいる様子など、証拠の写真や動画を先に撮っておくことが大事だという。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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