臓器移植を待つ患者の苦悩 新型コロナ感染拡大で手術が遠のくケースも

「1日も早く、移植手術をかつてのペースで行える状態に戻したい」と焦る医師も…。

■患者と医師の焦り

赤ちゃんの頃に肝炎に感染し「肝臓移植が必要な状態です」という英国人女性(29)は、「(新型コロナウイルスの感染がここまで拡大しているため)病院に行くことさえ怖いのです」と現地メディアにコメント。

「今の健康状態なら、移植手術には耐えることができるのです」「でもこのまま病院に行けないと、体が弱っていきます」とも付け加え、「パンデミック発生は先生方のせいではないものの、私たちの生死がかかっています」とも話した。

医師たちも焦りを隠せず、「とりあえず元気な皆さんは、今のうちに臓器をどうするかにつきご家族とぜひ相談を」とメディアを通し人々に呼びかけ、臓器提供がスムーズに進むことに期待している。


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■患者たちへの影響は大きく

「延期できる手術は後回しにしましょう」と担当医に言い渡される患者も増えているという。なるべく家にとどまりウイルス感染を予防することがその理由で、多くの患者は「命が一番大事だから」と納得している。

しかし一刻も早く臓器移植が必要な患者にとり、新型コロナウイルスの感染拡大がもたらした影響はあまりにも深刻だ。ドナーになることを希望していながら、新型コロナウイルスに感染し亡くなってしまったために「人を救う」という最期の望みを叶えられぬまま旅立った人もいる。

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(文/しらべぇ編集部・マローン 小原

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