帝王切開直後の赤ちゃんから新型コロナウイルス 胎内感染の可能性も
このほどペルーで、新型コロナウイルスを母親の胎内で感染した疑いのある赤ちゃんが誕生した。幸い症状もなく、とても元気だという。
心配されていた新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の母体からの感染。海外ではこのところそうした症例が相次いで確認されている。最新の話題はペルーから伝えられた。
■帝王切開で男児が誕生
ペルーのサン・マルティン県モヨバンバにある病院産科で、このほど誕生した男の赤ちゃんの新型コロナウイルス感染が判明した。
帝王切開による出産だったといい、直後の検査で同ウイルスに陽性反応を示したことから、母親の胎内にいた時から感染していたことが強く疑われるという。
■母親は産前の検査で発覚
母親は産前のウイルス検査で自身の新型コロナ感染を初めて知った。何ら症状は出ておらず、感染の自覚もまったくなかったという。
幸い赤ちゃんにも問題は起きていないが、2人とも今後しばらくにわたり隔離された部屋での観察が続く。また保健当局は、最近この母親と濃厚接触があった家族や友人についてウイルス検査を進めている。
■「稀に母子感染も」と専門家
子宮内で赤ちゃんが胎盤を通じてウイルスに感染すること、あるいは産道を通る際に感染することを母子感染(垂直感染とも)といい、ペルーの母子の場合は前者が考えられるという。
先月には中国の専門家チームが、「湖北省武漢市で妊娠中に新型コロナウイルスに感染した母親33人について調査した。
その後に新生児3人からウイルスが検出されたが、もし生後30時間以内に感染が確認された場合は母子感染を疑うべき。稀には起きるだろう」との見解を示していた。
■イギリスでも母子感染例
3月には、イギリスのノース・ミドルセックス・ユニバーシティ病院からも母子感染と考えられる例が報じられた。母親が肺炎のため病院に運ばれ、そこで新型コロナの感染が発覚。誕生した赤ちゃんにもすぐに検査が行われ、陽性反応を示したという。
現在、日本の産科では全職員の検温、手指の徹底消毒とマスクの着用など感染対策が強化されており、もしもの場合に備え、家族の面会や立ち合い出産の制限・禁止といった措置もとられるようになっているという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)