「足先の斑点が新型コロナ前兆の可能性も」 欧州で小児・若年層の感染に新見解

新型コロナウイルス感染を疑うべき症状は、呼吸器、熱、のどの違和感、味覚・嗅覚の障害などがあるという。だが、それ以外にもある可能性が出てきた。

2020/04/18 16:40

少年のつま先
(krungchingpixs/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)のパンデミックにおいて、大変な数の感染者、重症肺炎患者が出ているヨーロッパ諸国。そんな中、南欧では「小児・若年層の感染者の足先(指や裏)に現れる前兆」について、専門家の興味と関心が高まっているという。


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■毒グモに咬まれたと勘違い

3月8日、イタリアのある病院の皮膚科に「ドクイトグモにつま先を咬まれたようだ」と訴える13歳の少年が現れた。毒グモの咬傷は見当たらず少年は帰宅したが、2日後に発熱、筋肉痛、頭痛、そして病変部に強いかゆみと灼熱感が生じ、再び病院へ。

詳しく調べたところ、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染していることが判明したという。

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■赤紫の小さな斑点が出現

少年を診察した医師は、スペインやフランスでも「新型コロナ患者において、つま先を中心にぶつけた覚えのない赤紫のアザのような斑点が現れることがあり、いずれ傷跡も残らず消えていく」といった報告が続々と上がっていることを知った。

そこで入院中の新型コロナ患者の皮膚を調べたところ、5人に1人の割合で同様の皮膚症状があると判明。中でも、小児や若年層の患者に特に多いこともわかったそうだ。

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■皮膚科医も協力

プーリア州バーリの小児皮膚科医であるマッツォッタ・トロッコリ氏は、メディアの取材に「それが新型コロナの前兆であるとしたら、皮膚科が慎重に観察することで役に立てるかもしれない」と話し、他の医療機関や保健当局との連携に前向きに取り組む姿勢を見せている。

少年期や若年層では、無症状のまま他者にウイルスを感染させてしまう例が出ている。しかし初期のうちに感染に気づくことができれば、感染拡大の防止につながりそうだ。


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■我が子の足に異変を感じたら…

スペインには、足に現れる不調や病変に対応する「足趾(そくし)学」を研究している医科大学もある。

その専門家7,500名で構成される「The Spanish General Council of Official Podiatrist Colleges」という評議会では、イタリア、スペイン、フランスほか医療現場からの同様の報告を収集し、データを公開している。

現時点では「もしもお子さんの足の指に赤紫色の発疹を見つけたら、念のため新型コロナの感染を疑い、隔離を。周囲への感染を避けるため直接病院には行かず、保健当局などに電話で相談してほしい」との見解を示し、この件に関する調査をさらに続けていくとしている。


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■精巣の痛みを訴える患者も

欧米の新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)の医療現場からは、臨床上の有用な情報がますます伝えられるようになっている。

発熱、頭痛、味覚・嗅覚の障害、のどの痛み、息苦しさなどが主症状とされているが、最近では下痢、そして男性の場合、陰嚢部分の痛みを訴える症例も増えているという。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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