「通夜はドライブスルー方式で」 新型コロナ感染拡大を防ぐため遺族が配慮
亡くなった家族に、ぜひともお別れを言いに来てほしい。そう願った遺族が、斬新な通夜のカタチを思いついた。
新型コロナウイルスの感染拡大を予防するためには、大人数で集うことは避けなくてはならない。それでも家族を亡くし「たくさんの人たちに見送っていただきたい」と願った遺族が、葬儀社と相談し意外な形で通夜を執り行った。
■ある女性の死
3月23日のこと、米国・ニューヨークで2年にわたって卵巣がんの治療を受けていた女性が死亡した。
遺族はすぐに通夜、そして葬式の計画を立てようと葬儀社に連絡。なんとしても立派に見送りたいと願っていたが担当スタッフの返事は「新型コロナウイルスの感染拡大が深刻です」「10人以上が集う会は開催できません」というもので、家族は「どうすればいいのか」としばらく悩んだという。
■遺族のアイデア
「ごくわずかな人しかお別れを言いに来られないとは…」と考え意気消沈した遺族は、良い方法はないかと知恵を絞った。
その結果「ドライブスルー方式であれば人が密着しない」と思いついた遺族は、葬儀社に再度連絡。「葬儀場の前に棺を出してもらえませんか」「生前の写真もその周りに飾ってほしいのです」とリクエスト。「関係者には車で葬儀場に来てもらい、車の中から写真と棺を見てそのまま帰ってもらえばいいのでは…」と打診した。