石破茂元幹事長、政府の新型コロナ対応を批判 「中国から早く入国制限すべきだった」
自由民主党の石破茂元幹事長が日本外国特派員協会で記者会見。29日に亡くなった志村けんさんにも話が及んだ。
自民党の石破茂元幹事長は30日、丸の内にある日本外国特派員協会で記者会見を開いた。
新型コロナウイルスによる肺炎で、人気コメディアンの志村けんさんが70歳で死去したことについて、「70歳といえば、まだ若い。私が高校、大学生のころに大人気で、今も人気を保っている人だった」と悼んだ。
■新型コロナを予見した論文
そして、2018年にジョンズ・ホプキンス大学から極めて興味深い論文が発表されたことについて言及。
その中で、「今度流行する感染症は症状が軽く、自覚症状すらない人も多いであろう。そうであるがゆえに、気づかないままにどんどんと感染を広げる人が出るであろう」などと警告されていたという。
致死率が低いために宿主やウイルスが寄生している人間が死なず、ウイルスが生き続ける環境も維持されるため、「人類の歴史を変えることになるかもしれない」というのだ。
それを踏まえて石破氏は、「それと同じことが起こっていたのだが、最近の変化は致死率が意外と高くなりつつあるということではないか。致死率が高くなることと比例して、感染力が強くなりつつあるのではないか。ウイルスの変異というものを軽く見てはいけない」と警鐘を鳴らす。
■スペイン風邪との類似性
そして、スペイン風邪の日本での始まりを解説。石破氏によると、1918年、台湾から帰ってきた大相撲の力士と、第1次世界大戦に参加していた日本の巡洋艦からその感染は始まったという。
1918年の暮れにいったん収束をするのだが、翌年にはウイルスはおそらく変異を起こして致死率が非常に高くなって、国民の間に広まっていった。ウイルスの存在も確認されておらず、特効薬もなかった。
「1920年に収まったのは、おそらく集団免疫ができたからではないかと言われている」と石破氏は説明。スペイン風邪の発症もほんの数例から始まり爆発的に拡大した。今回もそうなりはしないか、という石破氏の懸念が言外に含まれていた。