新型コロナで収入ゼロの人も… 「演奏家たちの現在」に言葉を失う
新型コロナウイルスの影響で、深刻な状況に陥っている音楽業界。ミュージシャンたちの現状を聞いた
■“主催者”はもっと深刻
Aさんは、オーケストラ公演を主催する人たちの状況はより深刻だと語る。「大きな公演を主催しようとしていた知人がいたのですが、軽々しく話題に出せないほど深刻です」
「主催者たちは、100万円単位で損をしている。ホール代や諸経費を含めたら相当な額です。会社で主催したものであればまだ良いのですが、個人でやっている人は…」と、Aさんは口をつぐんだ。
■教室開けず「収入ゼロの人も…」
メジャーアーティストとして数多くのアルバムに参加し、音楽教室も経営しているBさんは、「レコーディングの仕事は、事務所の機材を運んできて自宅でやっています」と話し、音楽業界でもテレワークが導入されている様子。
しかし、教室運営は深刻で「2月中旬から多くのレッスンを中止、現在はほぼ教室はお休み状態です」という。
「知り合いに、自宅でピアノを教えている先生がいるんですが、密室で交互に1台のピアノを弾く感染リスクの高さから、2月下旬から教室を閉め、演奏の仕事もなくなり、3月の収入はゼロだと聞いています…」と明かし、“町の音楽教室”の多くが危機的状況に陥っているようだ。
■「足並みを揃えてほしい」
そうした中、Bさんは「未だにバーやライブハウスでライブをやっている人たちがいます」と指摘。
「会社員など他で仕事をしながらバンドをやっているような人はとくに、積極的に自粛してもらいたいです。事態が長期化すればするほど、営業を自粛しているライブハウスや音楽で食べている人たちを苦しめることになり、正直、皆いつまで持つか分かりません…」と、複雑な胸中を明かす。
そして「一刻も早い事態終息に向けて皆で足並みを揃えることが、大切な人や場所を守ることに繋がると思うんです」と強く訴えた。
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(文/しらべぇ編集部・越野 真由香)