なぜ原宿駅と渋谷駅は「明朝体」でも叩かれないか 渋谷ギャルに理由を聞いた
新駅舎がとうとうオープンした原宿駅。新しい姿に慣れぬ人はまだまだ多いようで…。
■懐かしの原宿
原宿といえば、やはり若者の街。記者(私)も原宿デビューを果たしたのは中学生の頃で、カツアゲに遭遇しないかとヒヤヒヤしながら、親からもらったお金を手に、初めて自分のセンスで服を買いにきたものだ。
そんなエモい感情を胸に原宿駅で下車すると、目の前には全く見慣れぬ建物が。ネット上では新駅舎に対し、「農協っぽい」「役所にしか見えない」といった声が上がっており、木造ベースだった旧駅舎に思い入れが強い人ほど、受け入れるのに時間がかかっているようだ。
■ふとした違和感
また、ネット上では原宿駅の看板が「明朝体で書かれている」と指摘する声も見られた。駅名の明朝体表記といえば、今月14日に開業したばかりの『高輪ゲートウェイ駅』が大きな物議を醸したばかり。
しかし現地で明朝体の駅名を見ても、それほど大きな違和感は起こらなかった。ネット上でも「原宿駅の明朝体は悪くないわ」「ゲートウェイほどの違和感がない」といった好意的な意見が主流のよう。
続いて「渋谷駅の看板も明朝体で書かれている」という情報をキャッチしたため、しらべぇ編集部は渋谷へと向かった。
■渋谷のギャルに話を聞くと…
JR渋谷駅・ハチ公口方面に着くと、渋谷駅の表記は確かに明朝体となっている。しかし「ずっと前から明朝体だったのか?」と聞かれても、即答できる人の方が少ないのではないだろうか。
そこで「餅は餅屋」という言葉に従い、記者は渋谷駅前にいるギャルたちに話を聞いてみることに。しかし、渋谷駅の明朝体表記について話を振ってみても、返ってきたのは「全然知らなかった」「気にしたこともなかった」という気のない答えばかりだった。
■決定的な違いは…
高輪ゲートウェイ駅が開通した際に「明朝体はダサい」という意見が多数見られたが、流行の最先端にある原宿・渋谷カルチャーにどっぷりハマった若者たちは、何故この書体をスルーできるのだろうか。
恐らくこれは「原宿」「渋谷」が漢字表記であるのに対し、「高輪ゲートウェイ」は片仮名の比重が大きくなっていることに起因するだろう。明朝体は漢字やかな表記にてよく使われるが、片仮名が多い駅名を表記する際はチグハグな印象を与えてしまうのかもしれない。
また、高輪ゲートウェイ駅の看板は「緑をバックに白の文字」という印象が強いが、原宿駅と渋谷駅はシルバーを基調とした「スタイリッシュな表記のみ」ということも大きい。
もちろん「高輪ゲートウェイ」という名前に対する拒否反応が、そのまま字体の違和感へと伝播してしまった可能性も捨て切れないだろう。
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(文/しらべぇ編集部・秋山 はじめ)