「コロナ汚染の紙幣と硬貨を回収・交換」 銀行員に扮した詐欺行為が横行
新型コロナウイルス蔓延の恐怖に便乗し、善良な人々からお金を騙し取ろうとする詐欺師たち。
自然災害や命を脅かす深刻な感染症の蔓延などで社会秩序が不安定になってくると、悪知恵の働く人間が思わぬ犯罪やデマを思いつき、善良な市民を相手に詐欺行為を働くことがある。
■「新品に交換」と約束
南アフリカ共和国でこのほど、人々に「新手の訪問詐欺が横行している」と南アフリカ準備銀行が注意を呼びかけ、波紋を広げている。
銀行員を装った人物が民家を訪問し、「不特定多数の人が使用する紙幣や硬貨は新型コロナウイルスまみれ。感染の危険がある現金をすべて回収し、同額を新品と交換することになった」などと説明するという。
■銀行員風バッジに騙される
現金を介してのウイルス感染に恐怖を感じる善良な市民は、言われるがままそれに従い、すべての現金を預けるとニセの「預かり証」を受け取る。
だが銀行員風のバッジを付けたその人物は二度と自宅に現れることがなく、誰もがそこで詐欺師に現金をごっそり持ち逃げされたという被害の事実に気付くという。
■観光客の出入りが多い南ア
3月20日午後3時半現在、新型コロナウイルスの感染者が150名確認されている南アフリカ共和国。同256名の感染者を出しているエジプトと同様に、欧州諸国との間で観光客の出入りが多い。
だが南アも地域によって衛生管理状況、医療機関の設備や技術に大きな差があり、この国で中国や欧州諸国のような大流行が起きれば大変な事態に陥るのではないかと懸念されている。
■ニセ医師まで出現
南アで最大規模の民間医療サービスを提供しているNetcare Group (ネットケア・グループ)からは、「ニセ医師」に関する注意が呼びかけられた。
医師を名乗る人物が「コロナウイルスの検査を行う」と各戸に入り込んでくるとの情報が寄せられたもので、泥棒がそれぞれの家庭内の様子や防犯対策などを確認しているのではないかという。
新型コロナウイルス感染拡大の恐怖に便乗した各種の詐欺行為。被害に遭わないよう十分警戒したいものだ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)