日本維新の会・柳ヶ瀬裕文参院議員に聞く 「ネット活用で全国比例5万票獲得も」
日本維新の会で国会議員団青年局長を務める柳ヶ瀬裕文参院議員。東京都議から2019年の参院選で初当選した。
■資産課税とベーシックインカムの検討を
社会保障の問題になると避けては通れない世代間の格差や対立。増え続ける高齢者が財源を圧迫する一方で、少子化・子育て対策には予算が少なすぎるとの声も目立つ。維新はどのような解決策をもっているのだろうか。
柳ヶ瀬:世代間格差もありますが、それを生み出しているのは、「お金持ちの子供はお金持ち」という資産の問題です。そのため、フローよりもストックに課税する、資産課税はひとつのやり方だと思いますが、自民党の反対でなかなか実現できません。
また、ベーシックインカムも真剣に考えています。若者でも高齢者でも、本当にお金がない人をちゃんと支援していくシステムをつくるべきです。それには、本当にお金がない人たちは誰なのか、マイナンバー制度で捕捉する必要があります。
「歳入庁」をつくって税金も社会保障費も一元管理し、必要な人たちに支援していく。これによって、世代間格差もだいぶ埋まってくるのではないかではないかと思います。資産課税もベーシックインカムも、海外では実現している国もあります。
複雑な税制は利権問題にもつながっていると語る柳ヶ瀬氏。
柳ヶ瀬:今の税の仕組みは、租税特別措置など「こちらを優遇してこちらからは徴収する」という、わかりにくいものです。複雑であることによってコストがかかり、そこにさまざまな人が付け入り、利権構造が出来上がっています。
シンプルでわかりやすい仕組みにすれば、財源もたくさん出てきますし、公平性が担保されることにもなります。
■規制改革で利権から国益へ
世界の成長に対して遅れをとりつつあるようにも思える日本だが、若い世代の支持も根強い維新は、どのような成長戦略を描いているのか、聞いてみた。
柳ヶ瀬:これは自民党の小林史明議員などと話していても一致するところですが、「規制改革なくして成長なし」ということだと思います。日本経済がこの30年間で1.4倍になっている間に、中国は60倍になっている。
日本の相対的価値は低下してしまっています。この違いを産んでいる、旧来の規制に守られた産業に退場していただかないと、新しい産業が勃興していかない。
規制や利権は、守ろうとする人たちのほうがパワーが強い。ありとあらゆる手段を駆使してくるわけですよね。一方で、規制改革は最終的には広く国民の利益になるわけですが、パワーの違いがある。
それに対しては、強力なリーダーシップが必要です。小泉政権の郵政民営化は、財政投融資の蛇口を閉めるという大きな改革でしたが、これだけでも5年くらいかかりました。
安倍政権は規制改革できていないから、長期政権を保てている。改革をやろうとしたら反発もすごいし、揺り戻しも起こるものです。