12歳少年が子犬を保護団体に預けた悲しい理由 「このまま家にいたら…」
動物保護団体に預けられる犬たちは、自分の身におきた悲しい経験を言葉にできない。
せっかく飼い始めた子犬を、やむを得ず動物保護団体に預ける。愛犬家にとってこれほど切ないことはないが事情はいろいろだろう。なかでもこんな悲しく、許しがたい事例が話題になっている。
■置き去りのダンボール箱に…
2月13日、メキシコ・ミチョアカン州にある「レフューヒオ・ショーリン(Refugio Xollin)」という犬の保護団体が、最近そこに持ち込まれた1匹に関する悲しいストーリーをフェイスブックでシェアした。
ある日、施設前に捨てられていたダンボール箱を職員が開封したところ、黒いピットブルの子犬1匹と手紙、そしてぬいぐるみが入っていたという。
■子犬を激しく蹴る父親
手紙はアンドレスと名乗る12歳の少年がしたためたものだった。
母親に付き添われながら自らの意思で子犬を運び込んできたといい、手紙には「この子の名前はレネです。僕のパパがレネを何度も蹴り、『売り飛ばす』と言いました。守ってあげてください」と書かれていた。
アンドレスくんの父親の暴力で尾骨を折った可能性があるというレネは、すぐに獣医のもとに運ばれた。
■思い出が詰まったぬいぐるみ
ぬいぐるみには、少年と子犬が一緒に遊んだ日々の思い出が詰まっているのだろう。手紙には「僕のことを忘れてほしくないから入れておきます。このぬいぐるみをずっとレネのそばに」と書かれていた。
フェイスブックを通じてこうした事実を知った人々は今、レネを案じると同時に、暴力癖がある父親を持ち、愛犬を失ってしまったアンドレス少年についても心配している。
■里親志願者は多いが…
理由はさまざまだが、このレフューヒオ・ショーリンに運び込まれた犬は120匹を数える。幸い里親の志願者も多く、レネのかわいい写真が紹介されると州内外から300件以上の照会が入り、現在スタッフがその対応に追われているという。
ただし虐待や裏切りを受けていた犬の場合、恐怖や不安から吠えて攻撃的になることがある。せっかく新しい里親が見つかっても温かい関係を築くことが難しいケースも多いようだ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)