新婚女性歌手が自殺 母親に相談していた「嫁ぎ先でのイジメ」
虐待もあったとされ、夫を含めた家族3名は逃亡中。彼女の両親は彼らを訴える準備を進めている。
新婚だった女性歌手が自殺したと報道された。彼女は2018年7月に結婚した夫とうまく行かず、実家の母親に「家から追い出されて悩んでいる」と相談していたことがあるという。
■実家で自らの命を絶つ
インド・カルナータカ州の州都バンガロールで17日早朝、これからの活躍が期待されていた26歳の女性歌手、シュシュミタ(本名:シュシュミタ・ラジェ)さんが首吊り遺体となって発見された。
現場は実家の室内だった。警察によると彼女は前日から実家に戻っており、母親や弟と夕食を取った後、床についたころに家族に自殺をほのめかすメッセージを送信。明け方に気付いた弟が遺体を見つけた。
■純金だけでは満足せず…
シュシュミタさんの夫シャラス・クマールは自動車販売店の店長をしている一般人で、不仲の原因は、結婚時に実家が娘に金銭、宝石、車などを持たせる「ダウリー(結婚持参金)」の内容にあった。
両親がシュシュミタさんに持たせた純金150グラムの売却で夫妻はマイホーム購入の夢を叶えたが、夫とその親族は「それだけ」では満足しなかった。
■実家は高額ローン返済中
映画数本に楽曲を提供するなど有名になっていたシュシュミタさん。それだけに嫁ぎ先の家族は破格の持参金を期待していたが、彼女の実家は高額ローンの返済に追われていた。
その事実を知って以来、夫シャラスとその妹、叔母がシュシュミタさんへのイジメや嫌がらせを繰り返すように。この3名はいずれも現在逃亡中で警察が行方を追っており、両親も彼らを訴える準備を進めている。
■犯罪や悲劇を生むダウリー
持参金の額をめぐるトラブルから殺人事件や自殺の原因にもなり、将来大金を失うことを恐れ、女の赤ちゃんを殺すという事件も起きてしまうダウリー。
インドでは1961年に法律が禁じたものの、ダウリーは慣習として今なお根強く残っており、娘を嫁がせる両親を経済的にも精神的にも苦しめている。
パキスタン、バングラデシュ、イランからも同様の事件の話題がたびたび伝えられている。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)