タバコ休憩への苛立ちをゼロに 吸わない社員を意外な方法で優遇する会社
労働意欲、モチベーションを下げるもののひとつが「職場内の不公平感」だ。
「さっき1本吸いに出たと思ったら、またかよ。こっちは黙々と仕事してんのにな…。」タバコ休憩にデスクを離れる者の後ろ姿を、隣の席の非喫煙者はそんな気持ちで眺めているのかもしれない。
組織の中にこうした不公平感がくすぶり、片方の労働意欲が低下するのは決して良い状況とはいえないだろう。
■トップが驚きの決断
イギリスで今、ある会社のトップの決断が人々の大きな関心を集めている。「我が社はこれから非喫煙者を優遇することにした」として、ある措置について発表したのだ。
健康長寿のためにも会社から喫煙者を減らしたい、タバコ休憩を度々とる社員と黙々と仕事を続ける社員の間にある不公平感を何とか解消したい。かねてからそのことで悩んでいたトップはある時、ソーシャルメディアで画期的なアイデアを見つけたという。
■年次有給休暇日数に差
その会社は、ロンドンの西に位置するスウィンドンに拠点をおく「KCJ Training and Employment Solutions」。職業訓練の専門学校を経営し、人材派遣も行っている。
KCJ社のトップを務めるドン・ブライデン氏は新年の仕事始めのあいさつで、「2020年度より非喫煙者の社員は年次有給休暇を4日分多くとれるようにする。ご家族とどうか長めのバケーションを楽しんでほしい」と発表。これには多くの社員から歓声があがった。
■両者Win-Win
KCJ社の喫煙者たちはこれまで日々の勤務時間中に4回~10回、平均10分間のタバコ休憩でデスクから離れていた。嫌煙家の社員たちがその様子を快く思っていないのは、ブライデン氏の目にも明白だったという。
また喫煙者の社員たちにおいても彼の決断は好評だった。有給休暇こそ少ないものの、今後はうしろめたさを感じることなく堂々とタバコ休憩に向かうことができるからだ。非喫煙者から向けられる冷たい視線を、じつは彼らもずっと気にしていたのだろう。
■タバコ休憩への理解度は?
タバコ休憩が多いと、やはり吸わない者たちからにらまれてしまうのだろうか。しらべぇ編集部が全国20代〜60代の非喫煙者の男女1,025名を対象に調査したところ、36.7%の人がタバコ休憩を快く思っていないことがわかった。
「4日間の休暇延長がうらやましいと言う喫煙者には、きっぱりとタバコを止めるよう促しています」とブライデン氏。12ヶ月間の禁煙に成功した社員には、すみやかにその権利を与えたいとしている。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)
対象:全国20代〜60代の非喫煙者である男女1,025名(有効回答数)