我が子をいじめる子たちと直接対峙する親が急増 それが正当な理由とは…
我が子をイジメから必ず守りぬく…親がその気持ちを躊躇する必要はない。
今、我が子のイジメ被害に立ち上がる親がとても増えている。教師が介入しても問題が解決せず、むしろイジメが激化する、調査に手間取り後手に回るなど悲しい事例があまりにも多いことが原因だ。
■イジメっ子が持つ暴力性
米国カリフォルニア州で数日前、16歳の娘のイジメ被害を知った母親が高校に乗り込んだところ、「しゃしゃり出るな!」という罵声とともに、イジメの加害者である少女2名のすさまじい暴力を受け大けがを負った。
唇や頬に傷を負い眼球を中心に顔面があざだらけという母親の写真が公開され、全米のPTAに波紋を広げている。
■男子はメンタルが弱い傾向
そんな中、医学誌『The Lancet/EClinicalMedicine』のある論文を元に、イジメはできるだけ早いうちに芽を摘み取ることが大事だと英メディアの『The Independent』が改めて報じた。
世界では毎年約80万人が自殺により死亡しているが、イギリスのウォルバーハンプトン大学と中国の広州医科大学はその中の10歳から24歳の22万人の自殺者に注目。報告されているイジメ被害の件数との関連性を探った。
すると世界83ヶ国の12〜15歳のイジメ被害者においては約8人に1人が、地域によっては最高で3人に1人が自殺を図っているという事実が見えてきた。特に男の子、そして東南アジア諸国やアフリカ諸国で高率だという。
■親に速やかに相談を
しらべぇ編集部がイジメを受けた経験がある全国10〜60代の男女720名を対象に調査したところ、全体の6割弱が「親には相談できなかった」と回答した。恥ずかしさやプライドを理由に挙げた人も多かった。このたびのカリフォルニア州の事件では、母親は我が子が自分にきちんとイジメ被害を打ち明けてくれたこと、そしてどんな形であっても事態を打開し、娘を救えたことを心から喜んでいる。我が子を案じ、幸せを願う親の真剣さに勝るものはあるまい。
■今は「しゃしゃり出る」くらいでよい
ふた昔前までは、子供たちは喧嘩も交えながら子供同士のミニ社会で成長するという考え方が主流で、我が子のイジメ被害を知っても不安のなかでじっと見守るという親が多かったのかもしれない。
だが近年のいじめは放課後にもネットで展開されることが多く、その陰湿さには大人の介入が絶対に必要。「しゃしゃり出る」という批判など気にしている場合ではない。
そのためにも親子は何でも話し合える良好で温かい関係を保ちたいもの。子供たちも親を信じ、できるだけ早く被害を打ち明けてほしいものだ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)
対象:全国10代~60代のイジメを受けたことがある男女720名 (有効回答数)