SNSで人気モデルを目指した19歳女性が自殺 フォロワー数千人では満足できず
「私にだってできる」という自信や自尊心。一般人がそんな競争心からSNSを始めるのは危険なのか。
SNSのモデルとして爆発的な人気を誇る女の子たちを見ているうちに、「私だって」という競争心がわいてしまったその若い女性。彼女はせっせと自撮り写真を公開し続けた。だが…。
■こんなはずでは…という挫折感
英国のマンチェスターでこのたびのクリスマスのほんの数日前、クロエ・デヴィソンさんという19歳の女性が自宅で自らの命を絶った。
インスタグラムを中心に活躍する、いわゆる「SNSの人気モデル」の座を目指して数々の自撮り写真を投稿していたクロエさん。胸元を強調する写真も多かった。
だがフォロワーは期待したほど伸びず、数千人どまりであることに彼女は自信を喪失。「こんなはずじゃ」という挫折感で打ちのめされていった。
■フォロワーの反応に一喜一憂
イジメなど人間関係で苦労したこともあり、大学には進学せず就職もしなかったクロエさん。外出もせず1日中SNSとにらめっこする日々を過ごしていた。
そんな彼女は自分の投稿した写真に「いいね」がたくさん付くと上機嫌になり、自信作の1枚にフォロワーの反応が鈍いと不機嫌に。さらに批判や馬鹿にしたようなコメントが付くと一晩でも泣きじゃくってしまう。こんな彼女を家族はとにかく心配していた。
■SNSを甘く見ていたか
19歳まで常に誰からも「美しい」と褒めたたえられる人生を送っていたクロエさん。外見にはかなりの自信を持っていた。だが上には上がある。一般人がSNSで自分の魅力を存分に発揮できるかというと、そう簡単なことではないようだ。
趣味、ファッション、ショッピング、そして日々の暮らしのちょっとした行動やつづられた文章からにじみ出る人柄など、SNSの人気モデルは総合的な判断で評価され、普段からの人脈も大切だといわれている。
■「SNSに翻弄されないで」と母親
自慢の娘の死により、悲しみのどん底に突き落とされた44歳の母親。彼女は今、人気モデルと呼ばれることを夢見て自撮り写真を必死に投稿している若い女の子たちに、「そこには危険な落とし穴が。早くそれに気が付いて」と訴えかけている。
SNSが自分の生活のすべてであるかのように捉えてしまっている若者も少なくないことに触れ、彼女は「それは娘の精神状態におおいに影響を及ぼしました。常に心無いコメントに傷つき、『いいね!』の数に翻弄されてしまうのです。挫折感、苦悩、不安、自信喪失などが私の娘をつぶしてしまいました」と涙で語っている。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)