認知症の恐れがある高齢者のトンデモ行為 塗装職人が3階から転落
常に自己中心的でイライラが止まらない。そんな高齢者は脳機能の病変が理由の場合もあるという。
高いところの作業でハシゴに乗っていた塗装職人。そのハシゴがいきなり揺れた。「やめてください」と叫んでいるにもかかわらず、1人の高齢男性が大きくハシゴを揺らし続けたという。
■職人が乗っているハシゴを…
このほどペルー・リマのサンマルティン・デ・ポレス地区にある集合住宅の、3階部分で塗装作業をしていたフェルナンデス・サンチェスさん(46)。
彼は大きく揺れたハシゴから振り落とされ、9メートル下の地面に叩きつけられた。すぐに病院に搬送されたため、幸い命に別状はないという。
■人の言葉に聞く耳持たず
ハシゴを揺らした犯人は、その建物の1階に車椅子で暮らしている高齢の男だった。「なんだコレは。こんなモノがなぜここにあるんだ。私の車椅子が通れないじゃないか。邪魔だ」と怒鳴りつけると、ハシゴを力づくで激しく揺らした。
「やめてください」と叫ぶサンチェスさんに、高齢の男はまったく関心を示さなかったという。
■近所の鼻つまみ者
サンチェスさんが落ちた場所のすぐ脇には、当時ある住民とその孫がいた。直撃をくらえばその2人も大怪我を負っていた可能性がある。
地元メディアの取材に、近隣住民は「ハシゴの位置は悪くない。車椅子でも通れる十分な余裕があった」「あのおじいさんはいつも何かに怒っている」「今度こそ罰するべき」などと誰もが嫌悪感をあらわにしている。
警察もその高齢の男について調査を進めているが、認知症を発症している可能性も否定できない模様だ。
■高齢者が妙に怒りっぽいと…
認知症全体の1割未満ではあるが、アルツハイマー型などほかに比べて発症年齢が若い「前頭側頭型認知症(ピック病)」と呼ばれるタイプの認知症が今、注目を浴びていることをご存知だろうか。
認知症というと記憶障害や見当識障害を思い浮かべるものだが、前頭側頭型の認知症だと、このたびの事例のように目の前の状況や善し悪しを正しく判断できず、自己中心的な攻撃性が強く現れてくる。
近年、診断例がぐんと増えている前頭側頭型認知症。おだやかだった高齢者に強い攻撃性がみられるようになった場合は要注意だという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)