「1人では生きていけない」 片方がガンに冒された双子が一緒に自殺
若くしてガンを宣告され、死を考えるようになった男性。大親友だった双子もためらわずに「一緒の死」を選んでしまった。
双子として生まれ育ち、何をするときもいつも一緒。嬉しいことも悲しいことも、どんな悩みも共有してきた自分たち。その片方がガンと診断され、苦しい闘病生活の末にいつか天に召されるかもしれないと知ったとき、もう片方は…。
そんな状況のなかで1組の双子の兄弟が心中を図った。
■リアリティ番組で有名に
2人はイギリスでは有名な双子だった。この国に移り住んで放浪生活を送っているジプシー、ロマなどの恋愛と結婚に焦点をあてた、人気リアリティ番組の『マイ・ビッグ・ファット・ジプシー・ウェディング』。
その番組に2014年に出演していたのがケント州出身のビリーさんとジョーさんのスミス兄弟。だが12月28日、彼らは同州セブンオークス付近の雑木林で自殺を図り、死亡した。
■片方にガン宣告
2人はまだ32歳。最近になってジョーさんはガン(種類は明らかにされず)と診断されていた。治療を受けるにも保険や金銭面で大きな不安があったジョーさん。闘病生活もさぞかし苦痛が伴うはずだ。
ガン宣告をきっかけに、2人はどちらからともなく「一緒の死」を考えるようになっていたといい、遺書は公開されていないがケント警察は事件性を否定している。
■双子ならではの心情か
放浪生活と貧困に苦しみながらも、とても明るい性格で誰からも愛されたというスミス兄弟。3,000人のフォロワーがいたFacebookの彼らのページには、「番組を見ていつも応援していた」という大勢のファンから哀悼のコメントが寄せられている。
2人の死を嘆く一方、「一緒に生まれた2人は最期も一緒に逝くことが理想なのかも」「双子は『片方だけでは人生は完全なものにならない』と考えがちだ」といったコメントが印象的だ。
■笑顔の奥に深い苦悩
ビリーさんの恋人は、自分自身のソーシャルメディアで「いつも楽しそうに見えましたが、その笑顔の奥には誰からも理解されない大きな悩みが隠れていたように思います」などとコメント。
パートナーでも立ち入ることができない、ジョーさんとビリーさんの2人にしか理解し合えない何かがあることを、彼女は常に感じ取っていたようだ。
強い絆と愛情と信頼感で結ばれている双子たち。最高の親友を失う悲しみは想像する以上に深いものがあるようだ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)