4歳児が倒れた母の命を救う 救急隊員も「感銘受けた」と驚き
「しっかりとした子」に育つかどうか、やはり普段の会話が大切なのだろう。
家庭内に非常事態が起きた時、あなたにとって4歳の子供とは「役に立ってくれる存在」だろうか。それどころか「邪魔をせず、子供部屋にいて」などと命令してはいないだろうか。
■母親の命を救った4歳の娘
アメリカで今、幼い女の子が母親の命を救い、救命救急がスムーズに行われるよう隊員を上手にサポートして話題になっている。
母親は細菌性の重い感染症を患っていたことがわかり、治療のため4日間入院して現在は回復しているが、もしも娘にそれほどの機転が働かなければ、彼女は今はもうこの世の人ではなかったはずだという。
■女の子は電話を切ると…
話題の女の子はニュージャージー州サマセット郡に暮らす4歳のアイラ・グレイザーちゃん。今月上旬、母親のヘイリー・グレイザーさんが突然意識を失って倒れ、異変に気付いたアイラちゃんは電話機を手に911番に通報。これにより救急車が出動した。
電話を切るとアイラちゃんはイスを引っ張ってドアの前へ。そこに登るとカギを解錠した。玄関ドアの高い位置に内鍵がかけられていることを知っていたのだ。
■隊員も驚いた女児の機転
救急車の到着前にあらゆる機転を働かせたアイラちゃん。隊員の邪魔になると予想し、飼い犬3匹をオヤツなどで別の部屋に導いておいた。
さらにこの子には2歳の妹と1歳の双子の弟たちもいた。救急車や救急隊員が到着する騒がしさや、母親がいなくなる不安で必ずこの子たちは泣き叫ぶ。そう考えたアイラちゃんは彼らに大好きなヨーグルトを与え、優しく話しかけ遊んであげていたという。
「そのすべてに深い感銘を受けました」と隊員たち。アイラちゃんは後に警察と消防局から感謝状を受け取っている。
■真剣な話し合いと訓練の賜物
欧米ではじつはこうした話題が少なくない。消防局や警察から表彰される子も大勢いる。
メディアとのインタビューから見えてくるのは、こうした子の多くに体の弱い祖父母やきょうだいがおり、「もしものことが起きた時に自分しかいなかったら何をするべきか」を、とても幼い時から親と真剣に話し合い、訓練をしていたという事実だ。
万が一はいつ誰の身に起きるかわからない。幼い子が相手でも、たまにはそんな会話を持ってみることも大切なのだろう。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)