庶民の口座に40億円の誤入金 「とんだぬか喜び」に銀行が陳謝
その入金を「なぜ入ってこない」と待つ別の個人(法人)もいたはずだ。
高給取りではあるものの、日々の仕事に大変なストレスを感じているといわれる銀行員。大量の事務手続きのなか、1円のミスであろうと決して許されないからだ。
■口座の残高が驚きの金額に
米国テキサス州ダラスで今月10日、ある銀行の支店について驚くような額の入金ミスが発覚した。
靴屋の店員をしているルース・バルーンさんという女性が、ある時いつものように自身の銀行口座の残高をATMで確認。その金額が3,700万ドル(日本円にして約40億4,000万円)にもなっていることを知り、仰天したという。
■人為ミスが原因
帰宅後ルースさんは夫にも尋ねてみたが、「身に覚えがない」との返事で、正直者の彼女は銀行に連絡して状況を説明した。
銀行が原因について詳しく調査したところ、入金事務において行員の人為ミスがあったことが判明。銀行はルースさんに陳謝し、すみやかにお金を取り戻す手続きに入ったという。
■「一瞬躍り上がった」と女性
この件について複数のメディアの取材を受けたルースさん。「庶民の私にクリスマスの奇跡が起きたかと思ったわよ」「誰かが恵んでくれたおかげで私は億万長者に…一瞬だけど本気でそう思っちゃった」などと笑顔で話している。
だが、ルースさんは本音もチラリ。「とんだぬか喜びをさせられて終わり。ちょっとくらいお礼をくれてもいいのにね」とも話している。
■気づかれにくい誤入金・出金
「この顧客には良心と常識があり、本当に助かりました」とルースさんに感謝している銀行。
しかし入金ミスについては、もっと少額だと気づかず下ろして使ってしまう人がほとんどで、高額であっても投資用の口座など大きな出入りが繰り返されているような口座では気づかれにくい。
そのため、しばらく経過してから「どうか返金を」と連絡をよこす銀行との間でトラブルになることは多いという。
また、同じように出金手続きでも人為ミスは起きているのだろう。しかも顧客が被害に気づいて申し出なければ、放置される可能性が高い。銀行には信頼に値するしっかりとした事務を心掛けてほしいものだ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)