ジャパンライフの被害者 「安倍首相の『桜を見る会』招待状で信用した」
安倍晋三首相が主催した「桜を見る会」に当時の会長が招待されていたジャパンライフの問題が波紋を拡げている。
2015年の首相主催の「桜を見る会」に、巧妙なマルチ商法を行って経営破綻した「ジャパンライフ」の山口隆祥会長(当時)が招待されていた疑惑を巡り、追究する5野党1会派で成る追究本部は3日、国会内で省庁関係者を招き、ヒアリングを行った。
60代の福島在住の男性Aさんや東京電力福島第1原発事故の賠償金をジャパンライフに出資した福島県の男性Bさんが出席、「全国の被害者の声を首相にも聞いてもらいたい」と訴えた。
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■被害者2名に直撃
ヒアリング後に顔出しOKのAさんと顔出しNGのBさんが記者のインタビューに応じた。Aさんは安倍首相からジャパンライフ会長だった山口隆祥氏に届いた招待状について説明した。招待状とは「桜を見る会」のもので安倍晋三・事務所から送られてきたもの。
「あれによって被害が拡大したことは間違いない。セミナーでもスクリーンに招待状の映像が流れて、紙でも招待状のコピーがカラーで配られる。スクリーンにうつると、社員が拍手する。安倍政権と山口隆祥の癒着やつながりは完璧である、『山口会長はすごい人脈の持ち主だ』と、誰でも思ってしまう。私自身もそう思った」と述べた。
くわえて、自民党の二階俊博幹事長や加藤勝信厚労相をはじめ、数々の有力政治家やテレビに出ているコメンテーターらと、月に一度会食を行っていることも、カラーのチラシを示してアピール。一度は「トランプ大統領からも招待が来た」と放言したという。
■「被害者に説明してほしい」
Bさんは、「招待状の他に、山口会長が、全国で大々的に事業を展開しているスライドやこれだけの売り上げがあるというスライドを次から次へと出す。安倍首相のバックアップもあるというから会社がすごく伸張しているんだ、これは安心できると思い、合計9,200万円も出資してしまいました。もちろん、それはほとんど戻ってきていません」
安倍首相が本会議で、「山口氏のことは知らない」と言った答弁について尋ねられるとBさんは、「ウソはいっていないが、真実も語っていない。私は全国被害者7,000人の代表として今日ここに来た。7,000人の前で同じことが言えるのか。火の粉が降りかかっているのに、山口氏と本当に無関係なのかを立証しようともしない。被害者に対してちゃんと説明してほしい」と噴飯やるせない様子で語った。
■見るたびにがっかり」
「関係処分は破棄した」「データも復元できない」「山口氏のことは分からない」と壊れたレコーダーのように繰り返す官僚たちを見たAさん。
「全国の被害者のお年寄りが、このヒアリングの中継を見ている。今日も見ていたと思う。集まって、過去9回全部見てきましたから。いつまでたっても進歩しないやり取りが続いている。この人たちの給料も、税金でまかなってるじゃないですか。無駄に(ヒアリングの)1時間を過ごしました。毎回見るたびにがっかりして見ています。直に見ましたけど、ひどいですね」と憤りをもらした。
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(取材・文/France10・及川健二)