無知からくる偏見、差別、思い込み… 東ちづるの前に現れる匿名の声

東ちづるが代表を務める団体「Get in touch」の主催舞台『月夜のからくりハウス』の記録上映会が行われる。

東ちづる

女優、東ちづるが団体を務める一般社団法人「Get in touch」は、アートや音楽、映像、舞台などを通じて、誰も排除しない「まぜこぜの社会」を目指している。

本業のスキルや経験、人脈などをボランティアで活動する「プロボノ」スタイルで、障碍者アートのコンテストや「LGBT学校プロジェクト」など、その活動は多岐にわたる。

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■大好評だった舞台を映像化


月夜のからくりハウス
(©月夜のからくりハウス)

11月30日、12月1日に東京の神田明神で行われる『月夜のからくりハウス』記録上映会&パフォーマンスもそのひとつ。

2017年に上演され、大好評だった舞台の映像が公開される。上映会は今回が初めてだということに触れると、東は「本当は上映会ではなくて、再演をしたかった」と悔しさをにじませた。

東:舞台をご覧いただいた方から、「もう一度観たい」「他の人にも観てもらいたい」と再演を希望する声をたくさんいただきました。私たちももちろん再演を行いたく、各所に助成金申請をしています。でも、今のところ全部不採択なんです。


車いすの人を支援する、自閉症の人を支援する、ではなくて、まぜこぜの社会を目指すということは伝わりにくいのかなあ。マイノリティの人たちと一緒に表現することは、助成対象にはなりにくいらしいです。

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■苦肉の策である上映会、新たな試み

月夜のからくりハウス
(©月夜のからくりハウス)

待望される再演を阻む、お金の問題。公演には大きな費用を必要とする。東は「私たちが一番悩んでいるところ」と何度も口にしていた。Get in touchにはコンサルティングやNPO支援のプロもメンバーに入っているが、金銭的なネックのクリアはなかなか難しいようだ。

しかし、彼女は「どうすればいいんだろう?」と考えることをやめない。そして、苦肉の策として出したのが上映会。どうせやるなら、と新たな試みもされている。

東:じつは、上映会のお話は過去にもあったのですが、そのときはお断りしていました。「上映会でいいんじゃない?」と思われて、再演が実現できない気がしたんです。


でも、「この舞台を生で観たい」という方が増えてくれたらいいなとポジティブに考えるようにしました。


今回注目してほしいのは、高校生まではチケット代を無料にしたんです。多様性の素晴らしさを子供たちに知ってもらうというのは、私たちがすごく頑張っているところなので。

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