銀行口座をいきなりブロックされた女性 行員が謝罪した「とんだ誤解」
銀行はその女性について、何度でも本当に口座の所有者なのか怪しんだ。なぜなら…。
■長い取引にもかかわらず…
英国のサリーで看護師として暮らすロレイン・シャデムンフさんは、大手民間銀行の「バークレイズ銀行(Barclays PLC)」に口座を持っている。1997年からの長い付き合いだった。
ある時、カード類が入った財布を紛失したことに気付き、直ちに銀行に電話したロレインさん。不正利用の被害を食い止めるため、一時的にカードを無効にと考えてのことだったが、口座そのものが完全に凍結され利用できなくなってしまった。
■口座を凍結されると…
行員による個人の銀行口座の凍結(ブロック)は、口座所有者の死亡、自己破産申請などによる債務整理、不正な口座開設の発覚などで行われる。
そのいずれの理由もないのに銀行口座を凍結されてしまったら、とにかく困る、焦る、苛立つ。給料は振り込まれなくなり、クレジットカード、各種公共料金、教育費、サービス料金などの引き落としができなくなってしまうのだ。
■「不審な男からの電話」と行員
バークレイズ銀行との電話で、相手から20回近く『マダム』ではなく『サー』と呼ばれていたことを思い出し、ロレインさんは銀行に口座凍結の理由を問いただした。すると予想通り、声が太くトーンが非常に低い彼女は「不審な男」と勘違いされていたことがわかった。
その後、近くの支店が閉鎖となり、ロレインさんはテレホンバンキングの利用を案内された。だが本人確認の複数の質問に正しく答えても、なおもトラブルが頻発。口座がブロックされる度にロレインさんの怒りは爆発した。
■すっかり懲りた今は…
バークレイズ銀行はそんなロレインさんに対し、これまで多々与えてきた屈辱感と大変な不都合について陳謝。口座を安全に保護する機能はそのままに、今後はスムーズな本人確認のための新たな検証プロセスを導入すると約束した。
ロレインさんは今、ちょっとした用事で知らない相手と電話で話す際は、『ディレク』と名乗り男性を装っている。つまらないギクシャクはもうゴメンだそうだ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)