「不衛生」「店員がオタクをバカに」 アニメコラボカフェ炎上の背景とは
アニメのコラボカフェ「キャラクレ!」が不祥事で炎上。アニメコラボカフェ、イベントの実態と問題点とは?
2019/11/15 09:00
■採用と教育に課題
しかし、一方でA氏は「作品をテーマに据えたカフェである以上、ビジネスとして通常の飲食店とは違う配慮が必要」と強調する。
「オタクと言えば『チェックシャツを色あせたデニムにイン、リュック』みたいなイメージを持っている人がいるかもしれませんが、実際はそんなテンプレートじゃない。オープンな人もいれば、普段はオタクであることをとくに言及しない人もいます。
そんな人たちが同じ趣味のもと集まって楽しむ場所がコラボカフェなんです。だからこそ、今後は通常のカフェとは違う視点での採用や、スタッフへの教育が課題になってくると思いますね。
まあ、個人的には『オタクじゃないのにバイトに応募する人のほうが謎』であり、店側もある程度被害者という気持ちはありますが…(笑)」
■満足度の高いコラボカフェも
ここまで、本記事ではアニメコラボカフェの炎上をめぐる実態、背景を綴ってきた。
しかし、一方でキャラクターや設定を徹底的に作り込み、まるで自分がその世界の住人になったような気分にさせてくれるイベントや、地元の食材を使い、本格的で美味なフード提供するカフェなど、満足度が非常に高いものも存在する。
たとえば、2018年に新宿のヴィレッジヴァンガードで開催された『刃牙(バキ)』のコラボカフェはそのひとつ。参加したB氏はこう振り返る。
「『14キロの砂糖水』やごきげんな朝食が漫画そのままに再現されていてテンションが上がりましたね。
とくに前者は、まあ言ってしまえばただの砂糖水なんですけど、原作で描かれた入れ物に入れてくれたところも良かったし、なにより『おかわり自由なんで!』とノリノリで言ってくる店員さんの対応が良かったです。
『いや、水だもんそりゃお代わり自由だわ!』とファン同士で突っ込みあったりして、今でも飲み会のネタにしてます」
こうしたアイデアやスタッフの掛け合い次第で、とてつもなく楽しい思い出になるケースもあるのだ。
■自分の知らない文化へのリスペクト
今回、アニメコラボカフェの炎上例としてふたつ取り上げたが、こういった事案は珍しい話ではない。
昨今は趣味も多様化し、それぞれのコミュニティで独自のルールや文化が出来上がっている。自分の知らない物には戸惑いを感じてしまうのが人間の性だが、そこにリスペクトの心を持つことが大切になってくるのではないだろうか。
そして、そのためにはイベントやカフェを展開する会社が、「顧客のニーズを満たす」という観点から社員やバイトの教育をきちんと行なうことが大切であり、アニメの運営委員会も、きちんとコラボ先を選ぶことが求められるだろう。
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(文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)