原監督、FA人的補償の撤廃訴える 再考の余地はどれほどあるのか

巨人の原辰徳監督がFAによる「人的補償」の撤廃を提言。ネット上では発言を疑問視する意見もあるが…

■一筋縄ではいかない問題

28人のプロテクトが存在するものの、19年から1軍登録選手の人数が29選手に。1軍の選手ですらまともにカバーできないのも事実。球団としてもFAで戦力補強をしたいが、プロテクトから漏れてしまった有望な選手がとられるリスクも潜んでいる。

原は金銭補償の割合を上げる、撤廃ではないにしてもプロテクト枠を40人に引き上げるといった代案も出した。金銭補償については年俸ランクが1位から3位の選手は年俸の80%、4位から10位の選手であれば、年俸の60%もの補償金が必要だ。

すでに高額とも指摘されており、日本プロ野球選手会は「FA補償金の撤廃」を訴えている。仮に補償金の引き上げともなれば、選手会との衝突は避けられないため、非現実的と言わざるを得ない。


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■MLBでは…

メジャーリーグでは補償として翌ドラフトの指名権がある。旧所属球団にドラフト上位指名権を譲渡しなければならないの。補償金が足かせとなって人によってはFA宣言すら難しい日本プロ野球と比べると、補償のレベルが段違いだ。

原は以前にも「FAというのは選手にとって名誉なこと」と発言し、FAそのものには肯定的で移籍による球界の活性化を訴えた。しかし自身が出した代案では宣言する選手すら減ってしまう可能性もある。

補償はなんらかの形で必要であるが、選手の人生を狂わせかねない人的補償。撤廃も含めた議論がこれから先、必要になるのかもしれない。


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■FAはプロ野球をつまらなくしている?

しらべぇ編集部が全国の20代から60代の男女466人にFA制度についての意識調査を実施したところ、全体の21.2%の人が「プロ野球をつまらなくしている」と回答している。

FA制度についての調査

否定的なファンはそれほど多くないようだ。様々な思惑が絡むFA制度。選手ファーストで考えて今後、制度が進化していくことを期待したい。

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(文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ
調査期間:2016年9月23日~2016年9月26日
対象:全国20代~60代の野球ファン466名(有効回答数)

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