自殺ゲーム『青い鯨』また流行か 13歳と15歳が貨物列車に飛び込む
ネットで知り合い、意気投合した少女2名は手に手をつないで線路へ…。
自殺には想像を絶するほどの勇気が必要だ。近年ではソーシャルメディアで仲間を求めるケースも増えているが、そこにゲーム感覚のとても危険な自殺コミュニティがあることをご存じだろうか。
■少女2名が抱き合い線路内へ
ロシア・スベルドロフスク州のクラスノウフィンスクに近いある村で、このほど13歳と15歳の少女2名が手に手を取って線路に入り、抱き合いながら走ってきた貨物列車にはねられ死亡した。
この2人は『青い鯨(Blue Whale)』という、自殺願望の強い少年少女が集まるSNSのコミュニティを通じて知り合っていた。しかし両者ともにアカウントが削除されており、指導者とのやりとりや各種の証拠を警察もつかめずにいるという。
■世界に拡散した『青い鯨』
2013年に生まれたとされる『青い鯨』は、ゲーム感覚で自殺をと考える若者の間で話題になり、2017年にロシアで大流行。それが世界に拡散し、各地で少年少女の自殺を激増させた。
現在はすでに下火と楽観視されていた『青い鯨』。だが今年9月にスヴェルドロフスク州で自殺した16歳の少女もそのコミュニティとの関りが疑われるケースで、こちらも自殺と同時にアカウントが削除されたとみられている。
■50日後に待っている「死」
「中途退会はできない。我々はすべての情報を元にあなたを最期まで追い詰める」と最初に警告され、それに同意してから参加する『青い鯨』。その後は指導者の指示を受けながら、50日かけ31のタスクを次々とこなすことになる。
1日中ホラー映画を鑑賞するなどタスクも最初は簡単だ。ところが次第に危険行為や自傷行為を強要され、実行した証拠を写真や動画で送るよう迫られた挙句、最後のタスクは「自殺」だ。
■死の集団トップはまるで教祖
ロシア内務省は2017年、インターネット上に「自殺」をテーマにしたコミュニティが1,339も存在し、計12,000人以上がそれらに登録していると公表した。
サイトの管理人や首謀者はもはや「教祖」のような存在だといい、捕まってもその獄中に狂信的な思いをつづった手紙や相談の手紙が少年少女から届くとのこと。ネット上で自殺コミュニティーを監視する警察も常に緊張を強いられている模様だ。
■死に急ぐなかれ
しらべぇ編集部では、全国20〜60代の男女1353名を対象に「自殺」についての意識調査を実施。「死が頭をよぎったことがある」のは若い人に多く、一方、悲しいお別れの経験が増えてくる50代や60代あたりから、死生観が変わってくるようにも見える。
悩める少年少女たちは、インターネット上に教祖的な存在を見つけるのではなく、愛情深い祖父母と温かい会話をもってみてほしい。命のはかなさ、そして大切さをあらためて教えてくれるのではないだろうか。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)
対象:全国20代~60代の男女1,353名