10歳少女を強姦し殺害した少年 無罪判決で「少年法の改正を」
遺族の悲しみや怒りにどう配慮しても、壁となるのが「刑事責任を問える年齢」だ。
近年、中学生や小学校の高学年生が凶悪な事件を起こすケースが急増している。「少年法適用の年齢を引き下げて」と訴える動きは加速するばかりだが…。
■強姦後に刺殺し遺体遺棄
日本と同様、十代前半での少年犯罪が激増している中国。遼寧省大連市で1ヶ月ほど前、自宅に連れ込んだ10歳の少女を強姦し、刃物で刺し殺して遺体を水路に遺棄したCaiという13歳の少年が逮捕された。
犯行を認め、手錠姿で裁判所に出廷したCai。しかし中国では刑事責任を問える年齢を「14歳以上」としているため、当然ながら事実上の無罪が言い渡された。
■リハビリ指導だけで大丈夫か
主文のなかで「少年には精神面での正しい指導で改善更生を」と述べた判事は、Caiにリハビリ施設で3年にわたり更正プログラムを受けるよう命じたのみだった。
ほかの中学生が勉学、試験、部活動などに追われるなか、この少年が入所するリハビリ施設は、凶悪事件を起こした大人たちが収監される檻とは環境が全く違うという。
■激怒の国民「少年法の改正を」
判事は「この年齢で考えうる最も厳しい罰」と表現したが、微博(ウェイボー)のネチズンたちは猛反発。「残虐な凶行には何歳でも重い刑罰を」「被害者と遺族が浮かばれない」と大きく炎上している。
近年の中国では江蘇省で13歳少年が、湖南省で12歳少年がそれぞれ母親を惨殺する事件を起こしていたが、いずれもあっという間に学校生活に戻り周辺社会を唖然とさせた。
これに反応を示したのが中国の一院制議会「全国人民代表大会」。少年法の改正をも視野に入れ、様々な議論が今後交わされていくだろうという。
■実名報道の是非
日本とは異なり、犯人が14歳未満であっても苗字ほかある程度の情報を明らかにする中国。しらべぇ編集部が全国20〜60代の男女1,537名を対象に調査したところ、全体の62.6%が「実名を報道すべき」と考えていることがわかった。重い罪を犯した少年少女の未来とその家族のプライバシーを守ることも大切だが、周辺社会に恐怖や不安が広がるなら、それを和らげることも大切ではないかという声はますます高まっている。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)
対象:全国20代~60代の男女1,537名(有効回答数)