生きた子ブタを座席にくくりつけ衝突事故の実験 虐待と殺処分に批判殺到

そのような残虐な実験を、生きた動物を用いて行う国がまだあったとは…。

2019/11/03 15:20

子豚
(Byrdyak/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

医薬品や化粧品の開発におけるむごい動物実験の話題は多い。まさに人間のエゴの犠牲というほかないが、自動車の衝突実験においても動物が使用されている国があったようだ。


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■子ブタで実験する中国

激しい衝突事故は、車のなかにいる人の身体と深部にどのような衝撃と損傷を与えるのか。安全な車、座席、チャイルドシートを開発するうえで、その調査と研究はじつに真剣なものであろう。

そんな中、中国で交通医学の研究にあたる「Institute for Traffic Medicine」という組織が生きた子ブタで衝突実験をしていることを、ドイツのメディア『Bild』がすっぱ抜いた。

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■治療もせず実験後は殺処分

「人間の6歳児と体のつくりが似ているため、実験には子ブタが最適」と説明しているその組織。彼らは7匹の子ブタをチャイルドシートに括り付けると、時速48キロメートルのスピードでコンクリートの壁に車を激突させた。

シートベルト装着の角度や本数に差がつけられた子ブタたちは軽傷~瀕死の重傷を負い、内臓について検査を受けると、治療されることもなく殺処分となったこともわかっている。

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■鎮痛麻酔薬に電極まで

衝突事故では出血、骨折、打撲のほかに、見えないところで肺、脾臓、肝臓が損傷を受けることが多い。そうした検査や診断をスムーズなものにさせるため、子ブタたちは実験の24時間前から食べ物が、さらに6時間前からは水も与えられなかった。

また恐怖と興奮で騒ぎ出した子ブタには鎮痛麻酔薬が投与され、暴れれば胴部の電極が作動するようになっていたという。


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■「時代遅れ」と批判の声

アメリカは動物を用いた衝突実験を1990年代で中止にしていた。世界では今、こうした衝突実験にマネキン型のダミーや人体デジタルモデルを用いることが主流であり、国によっては稀に献体されたヒトの死体が使用されることもあるという。

しかし「チャイルドシートやシートベルトの開発のため、この実験は欠かせない」と説明し、学術誌『International Journal of Crashworthiness』に実験結果を堂々と報告した同研究所。

さっそく動物愛護団体のPETA(People for the Ethical Treatment of Animals)が猛烈な抗議を始めている様子だ。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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