中学校教諭が校内のプロジェクターなど窃盗 「借金で首が回らなくなった」

中学校教諭が校内の備品を窃盗した真のわけとは…

2019/11/02 15:00

学校・ロッカー
(Drew Bloksberg/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

山口県教育委員会は、宇部市立上宇部中学校に勤務する35歳の男性教諭を1日付けで懲戒免職にしたと発表した。しらべぇ取材班は、県教委から詳しく話を聞いた。


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■時価約144万円相当

県教委によると、教諭は、ことし4月から9月にかけて、18回にわたって、学校内にあったプロジェクターやノートパソコンなど、時価144万8千244円相当を盗み出していたという。ノートパソコンについては現在使用していない古いものが校内に山積みになっていた。

この教諭は4月に2件、7月に3件など、一回に一品づつ盗み出していた。ほかの教諭たちは、「おかしいな」という認識はあったものの、誰かが使っていると思っており、まさか信頼関係がある教諭が盗み出しているとは想像だにしていなかったという。

県内の学校では年一回の備品点検を行っており、この学校でも夏休み中に行う予定だったが、担当者の都合で遅れていた。しかし、9月に家庭科室にあるはずの備品がなくなったことで、本格的に校内で調査を始めた。

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■車内に備品のシールが…

そんな中、校内の駐車場に止まっていた教諭の車のダッシュボードに備品のシールがあることを、ガラス越しに別の教諭が発見。校長が問いただすと、盗んでいたことを認めた。

教諭は盗んだものを、質屋に入れて現金化していた。しかし、発覚の日に、教諭の母親が盗み出された備品のすべてを、質屋から買い取ったため、質流れしたものは一切ないとのこと。

本来ならば、教委が被害届を出す事案ではあるが、被害額の全額を、母親が弁償したため、警察への届けを見送ったという。そして、教委は校長(60)に対しても、備品管理責任者としての職責を十分に果たしていなかったとして、戒告の処分を行った。


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■「借金で首が回らくなった」

教委の聴取に対して教諭は、

「昔からのカードの未決済額が、ふくれあがり、またカードローンの返済も滞り、何度も督促を受けていた。奨学金の返済もあり、首が回らなくなった」


などと話したという。教委はこの学校に、4日からスクールカウンセラーを常駐させて、生徒の心のケアにあたり、必要があれば、臨床心理士の派遣も行う方針だ。

また、今後こういったことが起きないように、県内の全学校に、備品使用ノートを作成させ、「いつ、誰が、どんな備品を使用し、いつ返却したのか」を見える化するように指示したとのことだ。

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(文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部

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