突然殺された男性、犯人の動機を知ろうとするも… 「救いがなさすぎる」
ドラマ『死役所』の第3話が31日に放送。あまりのリアルさに呆然とする視聴者が続出。
2019/10/31 11:30
この世を去った者が成仏の手続きを行なうために訪れる場所、「シ役所」を舞台に、人々の死に様を描くドラマ『死役所』(テレビ東京系)。
第3話が31日に放送され、ある日突然殺された人間のやるせなさと無常感に、視聴者からは賛否両論の声が寄せられている。
■自分の死を受け入れられない”お客様”
第3話は、未だ成仏できない女子大生・ミチル(黒島結菜)が、職員たちが全員元死刑囚であったことを知り「人殺し!」と皆を責め立てていると、物騒な物音が聞こえてくる……というシーンから始まる。
尋常じゃない様子に彼女らが振り向くと、自身が経営する食堂で突然刺されてしまった男・坂浦眞澄(三浦貴大)が暴れまわっていた。「店に戻してくれ」と自身の死を受け入れられない様子に、シ村(松岡昌宏)はいつものペースで声をかける。
妊娠中の妻がいる中で殺害された彼は、自分の死をどうしても受け入れられずにいたのである。
■耐え難い真実
一家で食堂を営んでいた坂浦は、父親を殺害されたのち、常連に支えられながらもなんとか店を再建しようと奮闘していた。決して立派とは言えないものの、ぬくもりに満ち、美味しい味噌汁が評判の店だった。
しかしある日、客を装って来店した男に坂浦は突然刺されてしまう。あまりにも唐突な死の訪れに呆然としながらも意識を失い、そのまま「シ役所」に来てしまった。妻が妊娠し、商売も軌道にのってきた矢先の出来事だった。
■殺人犯の動機とは
「シ役所」の資料を読み解いていくうちに、坂浦を刺したのはなんと父親を殺した犯人と同一人物であることが発覚。
一般的なドラマではここで殺害の動機を描くのがスタンダードだが、そういった描写は一切無し。坂浦が親子二代で理不尽に殺されたという事実だけが淡々と語られ、彼が「どうして」と空虚に問う姿が映し出されていた。
そんな問いかけに対し、シ村は「殺人犯の気持ちなぞわかりません」と意味深な表情を見せる。死んでしまったものはもう取り戻せない。現世に蘇り復讐をすることもできない。犯人の動機を知ることすら不可能なのである。
■日常に潜む死を実感
ただただ無念を口にするしかない坂浦。放送後、視聴者からは「殺された理由は!?」「辛い、救いが欲しい」といった困惑の声が相次いだ他、「人はいつ死ぬかわからないよね」「1日1日を大切に生きなきゃ」と命の無常を感じる意見も見受けられた。
死は誰もが平等にたどり着く場所であるが、どの様な状況で死ぬかは天命次第。このように突然死んでしまうのは勘弁、と感じた者も多いだろう。
■ミチルの死因は……
また、話の終盤では曖昧であったミチルの死因がついに発覚。こちらはサークルの飲み会で急性アルコール中毒になりそのまま死亡したそうで、坂浦と同じく唐突な死に困惑している様子だった。
原因は違えど、突然あの世行きとなったふたりの感情を上手くシンクロさせ、視聴者に漠然とした不安を与えた第3話。ドラマとしては珍しいストーリー展開だったものの、ある意味これが一番現実的な「死」なのかもしれない。
・合わせて読みたい→家族を捨てて宗教を選んだ青年の最期に絶句 「悲しくなる」
(文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)