拍手喝采の代わりに「手をヒラヒラ」させることにした名門大学 その驚きの理由
「マイナーな人々に配慮しすぎると、それも本人たちにとって苦痛では?」と懸念する人も…。
式典、ショー、音楽コンサート、劇、講演会…もうありとあらゆるイベントが行われる大学の講堂。もしもその場から拍手や喝采が消えてしまうとしたら…!?
■拍手喝采をやめる動き
英国のいくつかの大学で、「拍手や喝采をやめよう」という動きがジワジワと起きている。このほどはオックスフォード大学の学生連盟が、様々なイベントで拍手が禁止となることを広く発表した。
学生たちに対して今後それを守るよう周知徹底を図るとともに、イベントの出演者、講演者に対しても拍手や喝采が起きないことを予め告げ、理解を求めていくことになるようだ。
■拍手喝采を怖がる人々が
オックスフォード大学はなぜ、感動の最高にエネルギッシュな表現方法といえる拍手や喝采を、キャンパスから消す必要があるなどと考えたのか。
同大学の学生連盟はそのあたりを、「拍手喝采は爆発的で大きな音響。それが不安神経症や聴覚過敏症を持つ人にひどい動揺や恐怖を与えていることがわかった。その対策について議論された結果、違う形の称賛方法を導入することにした」などと説明している。
■肩の高さで両手をヒラヒラ
今、拍手の代わりとして具体的に奨励されているのが、肩の高さで両手をヒラヒラさせる「ジャズハンド(jazz hands)」という称賛の方法だ。
イギリスでは手話の世界でこれが浸透しているといい、拍手も喝采も聞こえない聴覚障害者にも感動を同時に共有できるため、これこそが誰にも優しい、そして伝わりやすいサインと言えるそうだ。
■ほかの大学でも実施
じつは昨年9月、同じ理由から英国のマンチェスター大学・学生連盟がこれを実施していた。オックスフォード大学もとなると、よその大学にもジワジワ飛び火する可能性もありそうだ。
ただしこの方針には「バカバカしい」「フェイクニュースかと思った」と苦笑する者や、「拍手喝采でパフォーマーはテンションが上がるのに」「拍手したい気持ちは自然なもの。個人に任せるべき」と真剣に批判する者も。
正直なところ、国民の多くが首をかしげているといっても過言ではないようだ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)