殺し屋が下請けを雇い、下請けはさらに下請けを… 殺し屋5名逮捕で依頼人も唖然

複数の殺し屋がかかわる狡猾な下請け殺人。しかし人が増えれば増えるほど報酬はどんどん減っていく。

2019/10/27 13:30

殺し屋
(asiandelight/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

「殺人」を依頼された殺し屋は、自ら手を下せば高額の報酬を独り占めすることができる。だが捕まったら人生はそこで終わりだ。それなら、自分の取り分が減っても別の殺し屋を雇えば…!?


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■依頼人は報酬3千万円を用意

その事件は中国・広西チワン族自治区の南寧(なんねい)市で2013年、不動産業を手広く営むTan Youhuiという男が、トラブルにつきWeiという男性に訴えられたことが発端となって起きた。

Weiを消したいと考えたTanは殺し屋Aを雇い、その報酬として200万元(日本円にして3,076万円)を現金で手渡したという。

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■捕まりたくない殺し屋たち

ところが中国で刑事事件を起こすと刑罰は非常に重く、容易に死刑になる。さらに近年は町の隅々にまで防犯カメラが設置され、警察の犯人検挙率も大幅に向上。犯行後の海外逃亡などは年々困難になっている。

こうして殺し屋Aは、自分の代わりに手を下してくれそうな別の殺し屋を雇うことを考えた。報酬から半分をはねて「100万元(約1,540万円)でどうだ?」と提案したところ、殺し屋Bが飛びついてきたという。

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■ピンはねに続くピンはね

ところがBもやはり自ら手を下すことが怖くなり、上前をたっぷりはねて27万元(約415万円)で別の殺し屋を探し、するとCがそれに食いついてきた。

ところがCもDを20万元(約300万円)で雇い、DはEをわずか10万元(約150万円)で…。こうして延々と繰り返された「下請け探し」。殺人の依頼1件に、なんと5名もの殺し屋が関わったことがわかっている。


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■殺し屋Eがターゲットに…

このほどその裁判が南寧市の中級人民法院で行われ、法廷では様々なことが明らかにされた。

2014年4月、EはWeiさんをカフェに呼び出し、「こんなわずかな報酬で殺人など犯したくない。あなたが死んだふりをしてくれたら、その写真を依頼人に送りたい」と相談。これに驚いたWeiさんが警察に駆け込み、誰も血を流すことなく事件は一挙解決に向かった。

判事は殺人を依頼したTanに最も重い懲役5年、そしてAからDまでの殺し屋に同3~3年6ヶ月、そしてEに同2年7ヶ月の実刑判決をそれぞれ言い渡したという。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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