「悩み相談室に裏切られた」16歳少女が自殺 原因は警官の訪問か
気軽になったチャットでの悩み相談。対応する側は常に真剣だが、時にはこんなことも…。
深刻な悩みを抱えるなか「自殺」の二文字がチラつくようになっても、大人に相談するのは最終手段と考えがちな少年少女たち。そして、それに対応する大人たちに望まれていることとは…。
■相談員はチャットが終わると…
英国ノースヨークシャーのスカーブラという町で、首を吊って自殺した16歳の少女。深刻な悩みに苦しむなかで彼女はある夜、いじめや虐待などの電話相談で有名な非営利団体のチャットサービスに相談してみたという。しかし、それは裏目に出てしまった。
■「内緒にして」と言ったのに
少女はカウンセラーに自身の悩みと自殺願望があることを告白した。カウンセラーはチャットの終了後、その相談内容をコピーして警察に報告。IPアドレスからの追跡と少女に対するその後のフォローを依頼した。
家族を心配させたくなかった少女は相談員に「誰にも言わないで」と告げていたが、無視されてしまったようだ。
■警察が深夜にいきなり訪問
その深夜となる午前1時半ごろに警察官らが少女の自宅を訪問。対応した母親は何も知らない様子で、彼らは事情を細かく伝えると帰っていった。
義務教育を優秀な成績で修了し、一流大学への進学準備過程で猛勉強するようになった少女は、いつしか強いストレスから自傷行為を繰り返すように。そう知って両親はひどく心配になり、眠っていた娘を起こして話し合いを持ったという。
ところが娘は「悩み相談室のカウンセラーに裏切られた」と怒るばかりで、「もう眠いから」と言うと自室へ。翌日、母親が娘の変わり果てた姿を発見した。
■自殺を考えた経験者は…
しらべぇ編集部が全国20〜60代の男女1,332名を対象に「自殺」について調査したところ、全体の3割弱が「本気で考えたことがある」と回答。若い世代の女性にその傾向があることもわかった。
悩みの内容もさまざまで、時にはすみやかに関係各所に報告しなければならないものもあるのだろう。だが、この少女のような悲劇的な例もある。カウンセラーから警察官や児童相談所の職員に至るまで、大人たちはいかなる時も思慮深く、そして慎重に行動してほしいものだ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)
対象:全国20代~60代の男女1,332名(有効回答数)