ニワトリからウイルス検出 蚊が媒介する「東部ウマ脳炎」が恐ろしい

人類にとって蚊は深刻な脅威。小さくか細いのに、どうしても打ち倒すことができない。

2019/09/21 09:20

蚊
(Kwangmoozaa/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

「東部ウマ脳炎」という感染症があることをご存じだろうか。アメリカで今、蚊が媒介して脳炎を引き起こすことがある、この病気への恐怖が広がっている。


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■ニワトリからウイルスを検出

蚊を媒介に人や馬に感染し、脳炎を引き起こすとして恐れられている東部ウマ脳炎。今年7月、フロリダ州およびデラウェア州の検査用のニワトリから、東部ウマ脳炎/EEEウイルスが検出された。ニワトリにおいては病的な症状が表れず、感染してもわかりにいことが厄介だ。

米・疾病予防管理センター(CDC)によれば、これまで米国内での発症者は1年あたり平均7例。極めて稀な病気という印象だが、ニワトリから検出されたとなると、感染者の数は今後どんどん増えるだろうと警鐘を鳴らしていた。

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■この夏に患者数が急増

さっそく今年8月、マサチューセッツ州で東部ウマ脳炎の患者が4人確認され、うち女性1人が死亡。続いてミシガン州でも死者が出たことを受け、同州保健福祉局は「今年になってから7人の発症と3人の死亡が確認された」と発表した。

ミシガン州はこれまでもたくさんの患者が確認されてきたが、2002年からの統計において今年は最悪のペースで増加したとのこと。9月下旬でも気候が温暖で蚊が飛んでいる土地では油断できないという。

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■東部ウマ脳炎とは

東京都感染症情報センターは、公式サイトで「東部ウマ脳炎」について以下のように説明している。

「ヤブカ属、キンイロヌマカ属、イエカ属などの蚊に刺されて感染し、潜伏期間は3~10日間」


「成人は発症しても感冒様の症状や胃腸炎などで済むことが多いが、脳炎に進むと意識障害やけいれん発作などが起きる」


「脳炎を起こすと致死率は30%以上。60 歳以上では50%。生存者でも神経学的な後遺症を残すことが多く、小児ではそれが高率となる」


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■とにかく蚊に刺されないように

一般人向けの抗ウイルス剤は存在せず、入院中も各症状を緩和させるための対症療法が中心となる。何より蚊に刺されないよう気を付け、長ズボン、網戸、虫よけ剤などの使用を心掛けてほしいという。

これまで発症者が確認されているのは、米国東部、南東部、カナダ南東部、中米、南米北部、カリブ海諸国。まだ蚊が発生しているところは多いため、旅行や出張の予定がある人は特に気をつけてほしい。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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