ヒナを死なせたと逆恨み 3年間カラスに集団で襲われ続ける
「外出時は木の棒を必ず持ち歩く」と男性。その理由とは…?
鳥が集団で襲ってくるなど、まさにパニック・サスペンス映画の世界だ。しかも鳥たちは意外にも賢い。もしも相手を選んで襲ってくるとしたら…?
■「思い当たることが」と男性
インドのマディヤ・プラデーシュ州のスメラという村に暮らすある男性は、ここ3年にわたり、外を歩くたびにカラスの攻撃に遭うとして悩んでいる。しかもカラスたちは、複数の人のなかから彼だけを選んで襲ってくるそうだ。
『タイムズ・オブ・インディア』の取材に、「思い当たることがたった一つあります」と話すその男性。彼は3年前、鉄製の網に絡まり、もがいているカラスのヒナを発見し、助けてあげようと試みた。だがヒナはとても弱く、彼の手の上で死んでしまったという。
■とんだ誤解から逆恨み
高いところからその光景をじっと見ていたカラスたち。彼らはその一件で男性にヒナを殺されたと誤解したのだろう。「とんだ逆恨みから攻撃を始めたとしか考えられません」と男性は話している。
友人によれば、カラスたちは男性を見つけた途端にカーカーと騒ぎ始め、仲間を呼び寄せるとのこと。1羽ずつ戦闘機のようなスピードで急降下し、鋭いくちばしや爪で突っつくそうだ。
それは非常に痛いといい、男性は3年にわたり外出時には必ず棒を持ち、威嚇のためそれを振り回しながら歩いている。
■専門家によると…
ボパール・バルカトゥッラー大学で鳥類の行動生態学を研究するアショク・クマール・ムンジャール(Ashok Kumar Munjal)教授は、そのあたりについてこう説明している。
「カラスは大変優れた記憶力を持っています」
「彼らは一旦怒り出すと、相手を一羽あるいは集団で攻撃することがあります」
「執念深く執拗にとまでは言いませんが、少なくとも恨みは忘れないでしょう」
■想像以上に賢いカラスたち
仲間に危害を加えたと感じる敵について、姿や臭いなどでしっかり他と識別し、何とか仇を討とうとするカラスたち。想像以上に賢く、また手ごわいことがわかる。
黒々とした外見やごみをあさる姿から忌み嫌う者は多いが、この鳥を敵に回さず、もしも人間の味方に付けることができるなら、何か意外な形で社会に貢献してくれるのかも…と期待するのは無理な話だろうか。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)