雨・夜・携帯電話… 不運と悪条件が重なった交通事故の真相

悲惨な交通事故のない安全な世の中を目指したいもの。しかし時にはこんなことも…。

2019/08/14 09:40

雨の日の夜の運転ほどイヤなものはないというのに、高齢者が幹線道路をトボトボと歩いているなど、いったい誰が想像するだろうか。


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■高齢者はなぜ道路のど真ん中を…

中国・四川省江油市(こうゆし)のある幹線道路で8月5日、悲惨な交通死傷事故が起きた。これが中国の人々の間で今、悪条件と不運が重なりすぎているとして話題になっている。

事故が起きたのは雨が降る同日夜のことで、車の往来が激しい道路のど真ん中を歩いていた高齢者がまず1台の車にはねられた。傘を差していて周りがよく見えず道路に飛び出したのか、それとも認知症などによる夜間の徘徊だったのか、本人が死亡した今となってはよくわかっていない。

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■倒れた高齢者とはねた運転手をさらに…

高齢者をはねてしまった車の運転手はすぐに車を止め、負傷した高齢者の様子を確かめるとその場で携帯電話を取り出し、救急車を要請。ところが後続の車がそんな両者を容赦ないスピードではね、現場はさらに大きな事故と化した。その運転手の前方不注意は明らかであったという。

こうして2名が地元の病院の集中治療室に救急搬送されたが、最初にはねられた高齢者は死亡。高齢者をはねた運転手も瀕死の重傷を負い、現在も入院中だ。

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■後続車が前方不注意だった理由

2人をはねた後続車は現場から逃走していたが、公安当局はのちに運転手の身柄を拘束。ナンバープレートを変えていたことも判明した。現地メディアはこの運転手の前方不注意の理由について、携帯電話を見ていた疑いで責任を問われるだろうと報じている。

照明の乏しい夜間、ただでさえ視界が悪いなか当時は雨まで降っていた。そして幹線道路のど真ん中をまさかの高齢者が…。認知症の高齢者は生活の昼夜が逆転することがあり、夜間の徘徊は不思議ではない。

車を運転する者なら誰もが嫌う悪条件と不運。それらに加え、運転中の携帯電話の使用が強く疑われている。中国の人たちは今、この事故の被害者たちに深く同情するとともに、「決して他人事ではない。いつどこで同じような事故が起きてもおかしくない」などとコメントしている。


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■高齢者には特に注意を

欧米諸国に比較すると、日本もかなり「交通事故が多発する国」と言わざるを得ないものがある。しらべぇ編集部が全国10〜60代の男女1,721名を対象に調査したところ、全体の30.3%が「交通事故に巻き込まれたことがある」と回答していた。

交通事故に巻き込まれた

特に、黒、茶色、紺といった目立たない服装で横断歩道のないところを横切る高齢者にはヒヤッとする。運転する側がとにかく気を付け、スピードを出しすぎないことが肝心だ。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ
調査期間:2019年5月17日~2019年5月22日
対象:全国10代~60代の男女1,721名 (有効回答数)

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