遊園地でジェットコースターが脱線 乗客が救急搬送される事態に

日々の営業前の丁寧な点検作業に勝るものはない。怪しいと思ったら操業中止の決断を。

2019/08/09 11:00

ジェットコースター
(kuri2000/iStock/Getty Images Plus/画像はイメージです)

テーマパークから伝えられる事故は悲惨なものばかり。幼い子供が犠牲になることも多く、運営者は日々の点検作業を怠らず、チェックも念には念を入れてほしいものだ。


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■「移動式遊園地」で事故が

ブラジル・パラナ州のシアノルテで7月31日夜、ある遊園地のジェットコースターがカーブの一か所で脱線して落下し、複数の負傷者を出した。家族がすぐそばで撮影していたという動画も公開され、注目を集めている。

事故が起きたのは、子供向けの『ピネファリ・ワッキー・ワーム(Pinafari Wacky Worm)』と呼ばれる小型のジェットコースターで、当時は保護者も含めて10名の客を乗せていた。

遊園地は大きなフェスティバルに併設された小規模のもので、海外にはよくある、いわゆる「移動式遊園地」だという。

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■急カーブが続き大きな負荷が

ジェットコースターは最も低い位置のカーブで遠心力により脱線して落下し、3名の負傷者が救急搬送された。いずれも幸い命に別状はないというが、もっと高い位置で事故が起きていたら乗客10名全員の命を奪った可能性すらあった。

子供向けゆえ、そのタイプのジェットコースターは落ちる高低差やスピードよりも、乗客の体を左右に激しく振さぶる急なカーブを売りにしていることが多い。その分、レールやジェットコースターの車輪部分には予想以上の負荷がかかることが考えられる。

事故の調査において、運営者側は「日々の点検は欠かさなかった」と話しているものの、金属疲労などが起きていた可能性は否定できないようだ。

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■命を奪う絶叫マシン事故

ジェットコースターほか、スリル満点の絶叫マシンは遊園地の花形的な存在だ。だが一方で、悲惨な事故が起きる確率は圧倒的に高いと言わざるを得ない。海外で報じられた事故の数例を紹介してみたい。

・ジェットコースターの3車両がいっきに脱線。10人が救出され6人が病院に搬送されたが、10メートルを超える高さから落下した1両に乗っていた2人は、今なお深刻な容態につき入院中。(2018年6月 米国フロリダ州デイトナビーチで)


・「空飛ぶ円盤」のアームが折れ、客を乗せる円盤の形をした座席部分が支柱に激突した後、地面に落下。乗客31人のうち2人が死亡、29人が重軽傷を負う。(2018年7月 インド・アーメダバードで)


・360度の大胆な揺さぶりを売りとしていた「空飛ぶ円盤」のアームがちぎれ、客を乗せたまま7メートルほど下の地面に落下。乗客のうち19歳女性が死亡し、7名が重軽傷を負う。(2019年6月ウズベキスタンのジザフで)


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■マメな点検と安全確認あるのみ

こうした絶叫マシンの深刻な事故は、いつ何どき起きるか誰にも予測がつかない。私たち利用者は、管理者による真剣でマメな点検作業と速やかな部品交換に期待することしかできないのだろう。

ただし「乗客が気を付けてさえいれば」という死傷事故も時おり発生している。安全バー、シートベルトを正しく装着し、係員の指示にきちんと従うこと。これを守っていながら発生した事故と、守らずに発生した事故とでは補償内容がまるで異なる。このことだけは常に意識したいものだ。

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(文/しらべぇ編集部・浅野ナオミ)浅野 ナオミ

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