「『表現の不自由展』中止は知事と市長のケンカが原因」 田原総一朗氏が喝破

愛知県で開催されている『あいちトリエンナーレ2019』の企画展『表現の不自由展・その後』に批判や脅迫などが寄せられ、中止に。ジャーナリストの田原総一朗氏がその背景を語った。

2019/08/06 07:40

田原総一朗

愛知県の大村秀章知事が実行委員会会長を務め、8月1日から始まった国際芸術祭・あいちトリエンナーレ2019において、企画展『表現の不自由展・その後』が、8月3日をもって中止された。

きっかけのひとつとなったのは、愛知県美術館(名古屋市)で展示されている「平和の少女像」(平和の碑)をめぐり、河村たかし名古屋市長が同像の視察を表明したことだ。


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■河村市長が強く批判

「行政がお金を出したイベントで展示するのはおかしい」——。

河村市長は、少女像を展示した『表現の不自由展・その後』が開幕した8月1日、そう述べて2日に展示会場を訪ね、視察する考えを示した。

「不自由展」は、この数年、日本の美術館などで、創作作品が政治的な内容を理由に次々と閉め出される状況に対して、市民が考えるきっかけを提供することが目的のひとつとされていた。

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■「『ガソリン缶持って行くぞ』と脅された」

企画展の中止決定について河村市長は、「表現の自由の侵害だ、芸術性のあるものに対して何を言うんだという話があるようだが、どういうプロセスで(芸術監督でジャーナリストの)津田大介さんが選ばれて、どういうプロセスでいわゆる慰安婦像をああいうファクトで、天皇陛下の写真を展示することになったのか。また、どういうプロセスで中止になったのか、市民の皆さんに公開しなければいけないと調査を指示している」と説明。

また4日朝、市長ホットラインに「ガソリン携行缶を持って貴様のところに行くぞ」というような脅迫状が来ていたことを明かし、「会長は大村さんだが、私は会長代行なので。『お前も一緒に決めたんだ』と言われたら、形式的にはそうなる。しかし私は本当に知らず、慰安婦像が展示されていると聞いて驚いた。とはいえ会長代行なので、明らかにする義務がある」とした。

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■大村知事は河村市長に激怒