「1000回スクワット」で女性が脚に激痛 紅茶色の尿が出て緊急入院
なんでも最初はほどほどに。スポーツもいきなり張り切ってしまうのは体に毒だ。
日頃からひどい運動不足で、機会があったら友人と一緒に何かやってみたい…。そんなことを考えていた若い女性。その機会が訪れたは良いが、彼女はあまりにも頑張りすぎてしまったようだ。
■スクワット1000回を目標に
運動不足の解消に、いつでもどこでもできる「スクワット」が打ってつけだと聞いた中国の重慶市に暮らす女性。彼女は今月10日、親友とともに「1000回スクワット」なるものに挑戦し、筋力とスタミナを競い合った。
19歳とまだ若い2人は無我夢中でスクワットを続け、それぞれが自分の限界に挑戦。久しぶりの運動で女性の脚は筋肉痛に見舞われ、翌日もひどい痛みに苦しんだ。だが運動後は誰もがそんなもの、女性は普通に通勤して仕事をこなしたという。
ところがその間にも、彼女の体の中では予想外の異変がジワジワと、そして静かに起きていた。
■トイレで気づいた体の異変
3日目の朝、女性は膝を曲げられないほどの脚の激痛に目が覚め、それでもトイレに向かったところ、尿はなんと紅茶の色を呈していた。かつて受けた軍隊の訓練のなかで、赤褐色の尿が何を示すかを思い出した彼女は、すぐに病院へ。そのまま緊急入院となった。
医師が下した診断名は、過度の運動がもたらした「横紋筋融解症」。若いうえに受診が早かったため、医師からは「深刻化する心配はない」と告げられ、ほっとしたそうだ。
彼女はすぐに一緒にスクワットを競い合った親友に連絡。すると、親友もまったく同じ病状で入院していたことがわかり、共に唖然としてしまったという。
■「横紋筋融解症」とは
「横紋筋融解症」はスポーツの道に関わる人なら必ず勉強し、警戒する病気だが、一般的には聞きなれない病名だ。日本の厚生労働省は、この病気について公式サイトで以下のように解説している。
「骨格筋細胞が融解、壊死することにより、筋肉痛、手足のしびれ、脱力や疲労感などが現れる」
「薬剤が原因となるもののほかに、健康な人では激しい運動や局所の虚血・圧迫などで横紋筋融解症が生じることがある」
「壊れた筋肉の成分(ミオグロビン)が血液中に大量に流出し、腎臓の尿細管がダメージを受けて尿の色が赤褐色になる」
「診断がついたら、すみやかに輸液療法、時には血液透析などを行ない、腎機能の保護をはかる」
「高齢者や持病がある患者においては、治療開始のタイミングが遅れれば急性腎不全を発症し、多臓器不全などを併発して生命に危険が及ぶこともある」
■日本人も8割が運動不足を自覚
その女性も感じていたという日常的な運動不足。
しらべぇ編集部では全国の20~60代男女1,365名を対象に、どれくらいの人たちが日ごろの運動不足を感じているのかを調査してみた。「とても感じている」と「そこそこ感じている」を合わせると、全体の8割が運動不足を自覚していることがわかる。
しかし、いきなりの激しい運動はやはり危険。たとえ若くとも一般人の場合は少しずつ始め、細く長く、楽しく関わっていければよいのではないだろうか。
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(文/しらべぇ編集部・浅野ナオミ)浅野 ナオミ
対象:全国20代~60代の男女1365名(有効回答数)