”美しすぎる議員”と言われた塩村あやか前都議に独占インタビュー 「一緒に理不尽と闘いたい」
激戦の東京選挙区に立憲民主党から立候補する塩村あやか前都議。ロスジェネ世代の救済や不妊治療などを政策課題に挙げた。
参議院選挙の公示まで約二週間。参院東京選挙区は全政党が候補者を擁立する激戦区だ。その中で、放送作家としてテレビやラジオの仕事に携われ、都議を一期務めた塩村あやか氏が立憲民主党から出馬する。
「美しすぎる都議」と称され、都議会で「セクハラヤジ」の被害に遭われ、全国ニュースになった。都議を辞めてからは、地元・広島県福山市がある広島三区の民進党・支部長に就任。総選挙2017では希望の党に行かずに無所属で出馬し、惜敗した。
今度はふたたび東京に戻っての活動になる。参議院議員になって何をするのか。何がしたいのか。超多忙の中、塩村氏を直撃した。
■非正規雇用の向上と動物愛護がキッカケ
———放送作家から政治家になった理由は何ですか?
「私は、超就職氷河期に短大を出た非正規雇用のロストジェネレーション。不安定な生活を送りながら、奨学金を返済し、年金を支払い、家賃などを捻出してきました。
紆余曲折があって、ようやく放送作家として仕事も収入も安定して来た30代前半に気づいてしまったんです。尊敬する女性の先輩放送作家たちは『結婚していない』『結婚しても子供がいない』ことに。
考えたら答えは簡単でした。放送作家の多くは非正規雇用。『子供を預けようにも、待機児童になる』『非正規は正社員よりも保育園に入れるのが難しい』こと。さらには、収入面を断たれてしまうことにも気づきました。
放送1回ごとで報酬を受け取っています。つまり、産休育休を取ったら無収入になってしまうので、仕事を続けることは難しいのです。
『憧れて出て来た東京で、働く女性の現実がこうであっていいのか』『東京で働く非正規の女性として何とかしたい』そう思いました。
また、私は20代の頃から動物愛護団体でボランティアをしていました。保健所などに収容された猫ちゃんを保護して、猫の里親さんにつなぐことを何年もやっていました。尊い命ですが、いくら頑張っても追いつかないんです。
ラジオの構成もしていましたので、いつしか『全ての問題は政治にいきつく』と気づきました。政治家の方にもお願いに行きました。返事はよくても、実際に動いてくださったあとがなかなか見えませんでした。
そのことに気づいたとき、うちの保護猫の目をながら悲しくなりました。『だったら、自分で政治をやってやろうじゃないか』と思い、動物愛護センターを管轄している東京都の都議選に出ることに決め、政治塾に通い始めました」
■都議として動物福祉に貢献
———都議会時代はどのような実績をあげまししたか?
「待機児童問題を含む子育て支援策は、晩婚晩産で孤立しがちな東京の女性たちへの支援も含めて大きく前進をさせることができました。特にセクハラやじを浴びたあと、日本中の女性や家族の方たちのご声援を得て、東京都だけではなく日本全体で進みました。
また、動物愛護についても私が都議になる前は議会質問が1期4年で数回だけだったようですが、私が議会で取り上げSNSで発信をしたところ、多くの皆さんから支持をして頂けました。
私が推進をした処分数を減らすことや、動物愛護センターの建て替えも任期中に目途がつきました。
また、劣悪ペットショップへの日本初の営業停止行政処分も実現し、これはNHKを含む各局のニュースで取り上げられました。この件は象徴的なネグレクト虐待であり、今年改正された動物愛護法でも条文化されました。
都議会という特殊な議会おいて野党という立場でエッジを効かせ、議会質問を重ね、最終的に公約を実現にこぎつけてきました」