キスされた赤ちゃんが2ヶ月も入院 命の危険もある「身近で恐しい病」とは
赤ちゃんはとても可愛い。思わず頬ずりやキスをしたくなるけれど…
■長期入院しさらに再発も
2ヶ月半もの入院を余儀なくされ、さらに今年3月には症状が再発してしまった赤ちゃん。そんな息子の事例をもとに、母親はこう警告している。
「口唇ヘルペスになることを自覚している人は、どんなにかわいいと感じても赤ちゃんにキスや頬ずりをしないよう気を付けてください」
「それは命を奪う可能性すらあるとても危険な行為だということを、皆さんに広く知っていただきたいのです」
「赤ちゃんの肌に赤いポツポツが現れた時、もしも水泡を伴っているようならヘルペスを疑ってみてください」
■ヘルペスはなぜ怖いのか
唇にヘルペスができたとしても、ケロッとしていられるのは健康に自信がある年齢だからこそ。しかし急性脳炎と呼ばれるものの代表格が、じつは単純ヘルペスウイルスの感染が発端となって発症する「ヘルペス脳炎」である。
国立感染症研究所は、公式サイトでヘルペスについて以下のような警告を掲載している。
「単純ヘルペスウイルス1型(herpes simplex virus type 1:HSV-1)あるいは2型(herpes simplex virus type 2 :HSV-2)の初感染時または再活性化時に発症し、発症年齢(新生児、年長児、成人)によってその病態はかなり異なる。
HSV は世界的に広く浸透したウイルスで、感染様式はHSV による皮疹や口唇ヘルペスを発症した患者の唾液との密接な接触、性器ヘルペスからの母子感染あるいは性的感染によると考えられている。
抗ウイルス剤が開発されてからは致命率は10%程度に低下したものの、いまだ3分の1の症例においては重度の後遺症を残す重篤な疾患であることに変わりはない」
■「死の接吻」とも
このたび事例を紹介した赤ちゃんは、すでに生後9ヶ月。ただし視力回復のための治療は続いている。2ヶ月半の治療でものを見ない日が続き、その間に視力をほとんど失ってしまったためだ。
単なる皮膚炎にとどまらず、最悪の場合は命を奪ったり重度の後遺症を残したりすることがあるヘルペス。海外でヘルペスは、文字通り「死の接吻(kiss of death)」とも呼ばれている。
弱い赤ちゃんを守ることは親の使命。少しでもおかしいと感じたら、すぐに医師に診せるよう心掛けたいものだ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野ナオミ)浅野 ナオミ