痴漢対策は「安全ピン」よりハンコで? ツイートが話題のシヤチハタに聞いた
「痴漢対策ハンコ」の開発の背景聞くため、シヤチハタに直撃取材した
2019/05/29 20:00
鉄道各社がポスターなどさまざまな啓蒙活動を展開しても、いまだ痴漢被害に悩む女性は数多い。先日は、「痴漢には安全ピンで刺すようにアドバイスされた」という内容のツイートが話題になった。
しかし、安全ピンで手などを刺した場合、状況によっては過剰防衛として傷害罪に問われるリスクも。また、電車の揺れなどによって、誤って痴漢ではない人に刺さってしまった場合も、同様に傷害罪が成立しうる。
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■「ハンコ」に注目集まる
「痴漢対策に安全ピン」という意見に対しては、ネット上でもやりすぎを指摘する声が目立つ。そこで注目が集まったのが「ハンコ」。ライブなどの入退場で用いられるように、痴漢の手にハンコを押せば、傷つけることなく証拠になるというアイデアだ。
それに対して、ハンコやスタンプで有名なシヤチハタの公式ツイッターが、以下のように反応した。
今現在Twitterで話題になっている社会問題の件ですが、早期に対応ができるようにします。ジョークではなく、本気です。
— シヤチハタ株式会社 (@ShachihataBS) May 22, 2019
このツイートは、29日現在で8600回以上RTされている。そのため、さらに、
「本件大変な反響を頂いております事、真摯に受け止めます。様々なご要望を頂いておりますが、最初にご提案できるのは従来のネーム印とほぼ変わりません。
そして今後段階的に形にできればと考えております。とはいえ、目指すべきはこの社会問題が根絶され、“護身用グッズが必要ない世の中”になる事です」
と重ねて投稿している。
■シヤチハタ広報に聞いた
しらべぇ編集部が今回のいきさつについて広報担当に聞いたところ、「現在このプランを実用化すべく、社員で実際にブレストを行っている最中です」と話す。同社でツイッターアカウントの運用を担当する、いわゆる「中の人」は、女性社員だ。
シヤチハタは、2017年9月には東北大学と共同で『防災・減災プログラム』を開発。昨今増えている災害に対する意識を高め、避難経路などを実際に体感できる仕組みだ。
こういった社会課題解決のためのノウハウを生かすことで、「痴漢防止スタンプも、それほど長い期間を要すことなく開発できる」と広報担当者は語った。