「性にまつわる講演会」も盛況 女性向けグッズ『iroha』が大丸梅田店に出店
おしゃれな女性向けセルフプレジャーグッズとして人気の『iroha』が、ポップアップストアを出店。トークイベントも開催された。
男性のセルフプレジャーは、社会的にきわめてオープンな存在だ。大人たちが飲み会などで話のネタにするだけでなく、そうした行為を覚えたてだった中高生の頃、教室や放課後などで普通に話していた記憶がある人も多いはず。
それと比較すると、女性のセルフプレジャーは、かなり日陰の存在と言っていいだろう。男性のように表立って話のネタになることもなく、彼氏や夫からも「そんなことしてるの?」「俺じゃ不満なの?」と引かれてしまう。
そのせいか、TENGA社が開発した女性用セルフプレジャーアイテム『iroha』も、「8割は通販で購入していただいています。男性向けのTENGAは7割が店舗販売なのとはまるで逆。irohaは売り場が限られているんです」と、同社広報の西野芙美さんは語る。
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■百貨店にポップアップストアを出店
今、irohaが積極的に取り組んでいるのは、明るくおしゃれで商品に触れることができる場の創出だ。「女性らしくを、新しく」をキャッチコピーに、昨年は伝統ある百貨店・大丸梅田店に2回臨時店舗を出店。大手新聞社を含め、多くのメディアに取り上げられた。
大丸では札幌店の他、静岡PARCOにも出店している。今回、大丸梅田店に3回目の出店を果たした(6月4日まで)。女性ファッション売り場につくられた店舗には仕切りやすりガラスがあり、周囲の目をあまり気にすることなく買い物ができるようにデザインされている。
「大阪のお客様はすごくオープン。ポップアップストアが成功したのは、大阪という地域性も大きい」と西野さん。店舗では、デリケートゾーンをケアするためのウェットシートなど、全国に先駆けて先行発売された商品も人気だという。
■「女性の性」講演会は満席に
今回の出店に合わせて、24日には大丸店内の会議室において、性にまつわる女性向けのトークイベントも開催された。
『女性の性をめぐる物語〜揺れ動いてきたセルフプレジャーの歴史〜』と題されたイベントは、事前に募集した15名の定員がすぐに埋まったため、急遽席を倍増。その定員も満席となり、会場は熱気につつまれた。
女性の性に関する正しい情報がいかに不足しているか、さらに自分の体について知りたいという女性たちの思いの強さも伝わってくる。
■過去には迫害の歴史も
とくに西洋において、女性の性はキリスト教文化のもと、偏見や規制にさらされてきたという。
たとえば、コーンフレークを発明したジョン・ハーヴェイ・ケロッグは、著書の中で「女性のセルフプレジャーが39もの病気を引き起こす」「しないようにするために女性器に酸を塗れ」など、とんでもない珍説を披露している。
今であれば女性差別として大炎上につながりそうなものだが、欧米ではこうした誤解や偏見が、当たり前のように社会に受け入れてられていたのだ。
一方で現在は、米国テキサス州で開催される世界最大のクリエイティブビジネス博覧会『SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)』では、昨年、女性向けバイブレーターがアロマ商品などと並んで展示されるなど、価値観の転換が進んでいる。
集まった女性たちからは積極的な質問も飛び交い、休憩時間には展示されたirohaを実際に触る姿も多く見られた。
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(取材・文/しらべぇ編集部・タカハシマコト)