小沢一郎氏を批判する菅直人元首相 野党結集に浴びせる冷や水に関係者が激怒
小沢一郎氏が仕掛ける野党再編構想を菅直人元首相がブログで批判。どちらの主張が的を射ているのか。
■小沢氏の強引な政局運営はもう御免
菅氏はブログで次のように綴った。短文なので、全文引用する。
「小沢一郎氏は自由党と国民民主党との統一会派を実現し、次の段階として両党の合流を図り、その上で立憲民主党を巻き込んだ合流を実現しようとしています。
確かに小沢一郎氏はまれにみる戦略政治家で、細川政権、羽田政権、鳩山政権など何度も政権交代を実現してきました。
しかし、小沢一郎氏が主導権を握った政権や政党は、小沢氏の強引な政局運営のため、全て半年から2年程度の短命に終わっています。その繰り返しはもう御免です。
国民民主党の中には閉塞状態にある現状を打破するために小沢一郎氏の剛腕に期待する向きもあります。しかし、自分の主張が通らなければ自分が属する政党でも壊してしまう小沢流の手法に振り回されるだけです。
国民民主党は玉木代表をはじめ比較的若い、優秀な中堅世代の政治家が数多く所属しています。現在の国民民主党は小池都知事が立ち上げた希望の党が民進党と合併したものですが、一般国民の中には全く認知されていません。
小池さんに代わって小沢さんに頼っても国民民主党が国民的支持を得ることができるとは思えません。
私は国民民主党は、岡田さんが代表であった無所属の会のように、いったん解散して個々人の政治家の責任で政治理念を共有できる政党に参加することを勧めています。国民民主党の大半の議員は個々人の意志で立憲民主党に参加してくれると思っています。
こうした個々人の判断に基づく結集であれば、立憲民主党に期待して応援してくださっている皆さんの理解も得られると思います」
■天敵・前原&枝野両氏も小沢氏に接近
このブログに怒るのが自由党関係者だ。
「民主党政権が政権をとってからもう10年。その頃の話を蒸し返すとは菅さんも大人げない。国民民主党に小沢氏が接近する前は、かつては民主党内で天敵だった枝野幸男氏(立憲民主党代表)が小沢氏と頻繁に会談し、話を聞いていました。
辻元清美国対委員長や福山哲郎幹事長なども時には同席したと言います。かつての天敵が和解したわけです。
小沢氏の天敵だった前原誠司氏も民進党代表になる前から会談を重ね、記者会見で『民主党政権の失敗の大きな原因は、人の好き嫌いで政治をしてしまった。その大きなポイントが、親小沢・反小沢で党を割るようなけんかをガチンコでしてしまった。それが私の反省の大きなポイントであります』と反省の弁を述べました。
小沢さんは本気で野党共闘を結成して、安倍退陣を狙っている。菅さんの発言は冷や水を浴びせるような行為です」
はてさて、国民民主党の議員には、「剛腕」「壊し屋」と呼ばれた小沢氏への期待と、「史上最悪の宰相」といわれた菅氏の忠告のどちらが響くだろうか。
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(取材・文/France10・及川健二)