東京メトロ「声の人」森谷真弓 メディアに出なかったワケと「吹っ切れたきっかけ」とは
「東京メトロ」の声の人…フリーアナウンサーの森谷真弓さん。今までメディアに出ることのなかった彼女が自身のこと、仕事について語る
■2016年のメディア出演で「吹っ切れた」
2016年に放送されたバラエティ番組『ニッポン行きたい人応援団』(テレビ東京)。番組では、全179駅を暗記するほどの「東京メトロ」大好きな青年、ラースローくん(22歳)を紹介。ハンガリー在住の彼が「東京メトロ」ファンになった理由こそが、森谷さんだった。
動画を通して聴いた車内アナウンスに「美しい」とハマったという。そんなラースローくんを日本に招待し、東京メトロで各駅を旅し、大ファンである森谷さんと対面を果たした。
森谷さんは番組への出演したことが、自身について、仕事について考え方が変わる大きなきっかけになったそうだ。
森谷:局のスタッフの方から、「ハンガリーの子が、日本語の勉強をしたきっかけが、車内アナウンスなんです。是非会ってもらえませんか?」って連絡がきたんです。
今まで、電話インタビューやラジオ出演は経験がありましたが、テレビ出演はお断りしていたんです。「皆さんの前に出ても、何も与えられないし」「声を聴いて、いいって思ってくれてる人を幻滅させるようなことはしたくない」って、不安な部分はあったのかもしれません。
でも海外の人が、音だけを聞いて「好き」って言ってくれるなんて本当に嬉しかった。ラースローくんだったから出演を決めました。自分が出演することで喜んでくれる人がいたり、興味を持って声をかけてくださる方がいたり…。
「出ることで喜んでくれる人がいるんだ」と思ったら、今までの不安が吹っ切れたんです。私が伝えられること、与えられることがあるなら…って考えるようになりました。
■CM、アプリ、朗読「新しい境地!」
番組出演をしたことで、今まで挑戦したことのなかった仕事のオファーなども増えたそうだ。森谷さんの目覚ましアラームのアプリが登場したり、朗読会に参加したりと、仕事の幅が広がり新たな扉が開けたという。
森谷:ありがたいことに、番組の出演がきっかけでCMのナレーションが決まりました。そして目覚まし機能の「電車アナウンス目覚ましアラーム&タイマー」というアプリでは、車内アナウンス風のナレーションにも挑戦しました。
あと、CMナレーションの時にお世話になった方が、朗読会を主催している方だったことから、朗読会に呼んでくださって。皆さんの前で朗読するというはじめての経験だったんですが、聞いている人の表情や雰囲気を体感できるのは、ブースの中で収録をしているときには味わえないものなので。
「新しい境地だ!」ってすごく楽しかったんです。今後も朗読や絵本の読み聞かせなど挑戦したいと思っています。
■ブライダルMCもはじめた中で妊娠発覚
私生活では、2009年に結婚。2018年に第1子を出産した森谷さん。結婚式の司会「ブライダルMC」としても活動を広げようと思った矢先に、妊娠が発覚したとか。新たな仕事の経験や出産を経た森谷さんに、今後の展望を聞いた。
森谷:これも番組出演がきっかけですが、ある時SNSに日比谷線で運転手をしている男性から「結婚するので、司会やっていただけませんか?」って連絡をくださったんです。
これまでブライダルMCは、友人の結婚式では何度か経験したことはありましたが、SNSから依頼がきたことは初めてでしたし恐縮でしたが、一度、吹っ切れているので(笑)、「新たなこともやってみよう!」って。
その後、同じようにSNSを通じて2組から依頼がきましてブライダルMCをやらせていただきました。
1組目を終えて、こうやって人が喜んでくれる「ブライダルMC」もやっていこう! と思っていた矢先に妊娠が発覚したんですが(笑)。
2組目の方は妊娠中、3組目の方は出産後、ですね。引き受ける度に、2人の人生の節目に関われることが、とてもありがたくてやりがいを感じているので今後も続けていきたいですね。
子供が生まれたことや4月に保育園に入園(予定)で、自分がやりたいこと、働きかたなど、色々と変化していくと思います。でも、すべてタイミングだし、すべてがターニングポイントだなと思うので、流れに逆らわず進んでいきたいと思っています。
ここ2年ほど、公私ともに変化が多かったと語る森谷さん。今後も鉄道のみならず、様々な場所で「癒しボイス」が聞けることを楽しみにしたい。最後に…しらべぇ読者のためだけに、車内アナウンス風メッセージを頂戴した。癒されたいときに聴いてほしい。
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(文/しらべぇ編集部・長谷川 瞳)