音楽チャートに革命! オリコンがストリーミング合算チャートを集計開始

オリコンが「CD」「デジタルダウンロード」「ストリーミング」の3要素を合算した「オリコン週間合算ランキング」の開始を発表した。

CDプレイヤー
(vladacanon/iStock/Thinkstock)

音楽ヒットチャートを扱うオリコンは29日、「CD」「デジタルダウンロード」「ストリーミング」の3要素を合算した「オリコン週間合算ランキング」の開始を発表した。

ストリーミングのみの週間チャートも併せて始まる。運用開始は2018年12月19日からの予定だ。


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■Apple Musicなどの再生回数が対象に

当初は「週間CDランキング」と「週間デジタルランキング」を合算したチャートを10月より開始予定だったが、ストリーミングのデータも集計できることになり方針を変更。3要素を合算することとなった。

ストリーミングの集計対象となるサービスは、Apple Music、AWA、KKBOX、LINE MUSIC、レコチョクの5サービスで、有料会員によるストリーム数が集計対象となる。

順位付けがなされる単位は「換算売上ポイント」とされている。これがどういった基準のポイントなのかは明記されていないが、CDシングル1枚の売り上げと同曲のストリーミング1回分が同じ価値であるとは考えにくいため、何かしらの基準によってバイアスがかけられるものと予想される。

この「換算」の基準次第とも言えるが、楽曲の実質的な人気とオリコンチャートの順位に甚だしい乖離が見られていた近年の状況を、ある程度は打開できる可能性があると期待されている。

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■問われるオリコンチャートの存在意義

かつては日本の音楽業界にとって実質的に最大の指標だったオリコンチャート。上位にランクインする楽曲は実際に国民の多くが頻繁に耳にする曲であることが多く、「オリコン1位」はアーティストにとって最高の栄誉だった。

しかし近年はそうではない。象徴的な出来事と言えるのは、アイドルグループによる「握手券付きCD」が「発明」されたことだ。握手会イベントでお気に入りのアイドルと長時間握手をするために、大量のCDを購入するファンが珍しくなくなった。

これにより、実際の楽曲人気以上に売り上げ枚数が「かさ上げ」される。ファン心理としては「楽曲にではなく、握手券にお金を払っている」という認識であり、「ついでに応援しているグループがチャート上位に入るのならそれも悪くはない」くらいの感覚が多数を占める。

この傾向が過熱したことで、今では「誰も知らない曲」がチャート上位を独占するような事態も全く珍しいことではなくなってしまった。今や「オリコン1位」というタイトルに心から「すごい」と感じる人は極めて少ないだろう。

今回の施策は、地に落ちたオリコンチャートの存在意義を回復させるための、オリコンによる切り札のようなものだ。

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■CDの売上枚数はもはや無意味