「月経関連疾患をライフワークに」 教育制度改革に挑む宮川典子政務官に聞く

英語教師から松下政経塾を経て、30歳のときに初立候補。

■変えるべきはよりよく変えるのが「保守」

宮川典子

しかし、「誰かに開けてほしかった風穴」は、自らが開けるという急展開になった。

宮川:2010年の参議院選挙で自民党の候補者が決まらず、地元の新聞に「自民、不戦敗か」と報じられて。「誰もやらないなら、私がやらなきゃ」と思って初出馬したのが、30歳の時でした。


この選挙には敗れたのですが、10歳の時になくなった父の口癖が「誰が行かなくても自分で行け」だったんです。正義感が強くて、不条理が許せない父でした。落選して浪人生活を送っていた時はとても辛かったですが、今もこの選択を後悔していません。


私は自民党の議員ですが、保守とは「体制を守ること」だとは考えていません。守るべきものは守り、変えるべきものは勇気をもって変えていく。それが真の「保守」だと考えています。


初挑戦の宮川さんは、18万票あまりを集めたが、約3700票差で落選。2年5ヶ月雌伏の時を過ごした後、自民党が与党復帰した2012年の衆院選で初当選を果たす。


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■教育制度にもっと選択肢を

宮川典子

学生時代から教育システムや教育行政の研究をしてきた宮川さん。文部科学政務官を務める今も、その思いは熱い。

宮川:選択肢の多い社会をつくることが大切だと思います。たとえば、「高校卒業は絶対に18歳」とは法律に書いていない。17歳で海外に行って、5年くらい高校を休学してもいい。今は社会の同質性を打破することができず、留学だって1年くらいしかできないでしょう。


大人になって、もう一度高等教育を受けようと思っても、今のキャンパスには幅広い年代の方が多くいるわけではありません。40代の大人や18歳以下が大学生になっていてもいいはず。15歳で大学に入ったり100歳から短大に通ってもいいのに、ある一定程度の世代のために高等教育機関があるように感じます。


本当に6-3-3-4制を守らないといけないのか、私の中ではずっと疑問です。


教育制度の問題は、経済や社会全体にも波及していく。

宮川:大学生だった時に、「新卒」という言葉に違和感を覚えたんです。これも、制度がつくってしまった年齢区切りのひとつです。新卒採用にこだわる会社は、社会の中にたくさんの価値やチャンスが埋まっていても見えないんですね。


そして、「学歴給」ともいえると思うのですが、お給料にヒエラルキーがある。中卒・高卒・短大卒・大卒、それぞれ働く時期を自分で決めているだけなのに、「◯歳で学校を卒業したか」などというものは、人の能力を図る尺度として信用に値しません。これは、生徒たちが彼らの生き方で実証してくれたことです。


「いつでも、どこでも、誰でも、何度でも、チャンスにアクセスできる社会」を実現するための教育システム改革が必要だと考えています。

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■「月経関連疾患」をライフワークに