「スキャンダルになることは素晴らしい」ビートたけし、たけし軍団にエール
「江戸まち たいとう芸楽祭」記者発表会にビートたけしが登場。浅草の思い出や若手への思いを熱く語った。
■浅草に恩返しをしたい
「おかえりなさい、たけしさん」と台東区長・服部征夫氏から声をかけられ、「帰ってきたわけじゃなくて、浅草にはよく行くから。暇さえあれば浅草で飲んでる時が多いんですが、最近忙しくてあんまり…」と返すたけし。
「自分が学校クビになってたどり着いた街で。妙な拍子に芸人になってしまったから…自分の人生の半分以上は浅草の人情と人間関係でできたようなもん。時間の許す限り、恩返しをしたいと思っています」と、浅草への熱く語る。
映画監督や小説の執筆など、マルチな才能を見せるたけしは、浅草を舞台にした作品『フランス座』を執筆中だそう。
「こないだ小説がやっと書き上がって、それが校閲や年代考証をしている最中で、今年の秋には出ると思うんで。浅草の芸人のお話。是枝さんがカンヌ取ったから(映画を)撮ってもらって、脚本料いっぱいもらおうかな」と野望を明らかにし、ニヤリ。
■演芸への思い
「浅草は浅草寺を中心とした街。お寺さんにも協力してもらい、土地とか建物の契約を安くしてもらって、文化の中心として盛り上げてもらえれば。かつて浅草を一世風靡した演芸の拠点を、もうちょっと増やして欲しいと思いますけどね」と、劇場が減りつつある現状を嘆くたけし。
芸人は昔、かっこ悪くランクが下、差別的なものを受けていた…と言い、
「芸人はたくましくて、今のテレビを席巻している。テレビをつけると芸人しか出ていないような時代になっていますが、パソコンやスマホ世代が登場して、今度はライブの時代になる。
多くの学生が集まる下北沢にライブハウスができて文化が流れていってしまうんですが、ほとんどのお笑いや映画の文化は浅草発信が多くて。
浅草っていうのは江戸時代くらいからの年季がありますから。そこで育つ人たちのほうが味があるんじゃないかと思ってまして。伝統と歴史の裏付けを背負った、新しいアイデアのある新しい芸人が現れて、浅草が文化の中心地にまたなるといいなと思っています」
と、浅草から新たな才能が生まれることを願った。
■芸楽祭で「タックルショー」!?
浅草、そして演芸への思いを熱く語っていたたけしだが、「芸楽祭をどんな形でやりたいか」と問われ「いろんな関係の人たちに月1万円ずつもらって、それを溜め込んで持って逃げようかな。バレたら橋の上から飛び込もうかな」とまさかの回答が飛び出す。
「最近借りにくるやつばっかりで払う奴はいないんで、台東区にもらうしかないかな。たけし軍団は…ぜんぜん変わらない。相変わらず金がないって言ってましたね。
いかにも怪しい社長(つまみ枝豆)と専務(ダンカン)になって。でもまあ、年季があるからどうにかなるでしょ。あいつらは40年以上も芸人を続けている。たけし軍団は強烈だな、スキャンダルの対象になることは素晴らしいなって思います」
さらに、芸楽祭でやりたいこととして「『たけしのTVタックル』(テレビ朝日系)って番組やってますから、日大の内田(元)監督と井上さん呼んで『タックルショー』開いてもらいたいなと。もちろんスポンサーは日大です」とたけし節が炸裂。
「お年寄りから若い子までみんなが集まる、かつての浅草の雰囲気を取り戻したい」と締めくくったたけし。「たいとう芸楽祭」が、そのきっかけになるよう願いたい。
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(取材・文/しらべぇ編集部・たつき あつこ)