学校や保護者に認められる新たな高校生向けクイズ大会を 日本クイズ協会の挑戦に迫る
今年から高校生向けの『ニュース・博識甲子園』と全年代向けの『JQSグランプリ』が開催される。
『東大王』(TBS系)や『今夜はナゾトレ』『99人の壁』(ともにフジテレビ系)など、今またクイズ番組が人気を集めている。人気漫画『ナナマル サンバツ』は昨年テレビアニメ化され、今年5月には舞台になった。
そんな「クイズブーム」とも言える中、高校生向けの新たなクイズ全国大会『ニュース・博識甲子園』の開催が、日本クイズ協会から発表された。 しらべぇ取材班は、協会の齊藤喜徳代表理事と楠井朋子理事に話を聞いた。
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■テレビ番組とクイズ研究会
早稲田大学クイズ研究会出身の齊藤さんは、『史上最強のクイズ王決定戦』(TBS系)などで活躍した、現役のパズル作家だ。そこで、昨今のクイズブームに至る流れについて聞いてみた。
斉藤:80年代にテレビでは『アメリカ横断ウルトラクイズ』(日本テレビ系)が放送され、大学にクイズ研究会が増えていきました。
その後、私が卒業した直後の90年代初めにいわゆる「クイズ王番組」がつくられて私も出るようになったのですが、制作スタッフに聞くと、テレビ局的には当時から「いつなくなってもおかしくない状態」だったそうです。
実際、そうした視聴者参加型のクイズ王番組は一度ほぼなくなり、2004年くらいから『クイズ!ヘキサゴンII』(フジテレビ系)などで、あらためて「常識を問うクイズ番組」が人気になりました。この流れは、『Qさま!!』(テレビ朝日系)や『ネプリーグ』(フジテレビ系)にも引き継がれています。
テレビ以外の場では、1994年頃から拡がった「オープン大会」という競技クイズの場や、2003年からサービスが始まったアーケードゲーム『クイズマジックアカデミー』もクイズプレイヤー拡大に一役買った。
そして昨今は、全国の中学・高校にクイズ研究会が増えているという。
■学校や保護者から評価されるクイズ大会を
クイズ番組で活躍し、『アタック25』(テレビ朝日系)で優勝を果たした後、15年以上クイズの世界から遠ざかっていた斉藤さんが、再びクイズに戻ったのは、2012年。
斉藤:早稲田大学のクイズ研で全世代対抗戦が行われたときに、「手伝ってほしい」と声をかけられたのが、再びクイズの世界と関わるようになったきっかけでした。今のクイズ界を知るために現場を見るようになると、自分が15年以上も前に離れたクイズの世界に、テレビを軸にしない大会の仕組みができていました。
そこで、「中高のクイズ研究会が部活動として正式に認められるような支援がしたい」と思ったのが、日本クイズ協会を立ち上げたきっかけです。
運動部だと、県大会や地区予選から全国大会への道がある。また、運動部だけでなくブラスバンドや競技かるたのような文化部でも、結果が地元の新聞などで報じられている。斉藤さんは、こうした状況を目指したいと語る。
斉藤:公的な大会であれば、大学の進路調査書にも結果を記載することができるでしょう。また、学校が認めたものであれば顧問の先生の引率があり、生徒たちの安全も担保されています。
こうしたことを有志でやるのは限界があるため、協会が『ニュース・博識甲子園』を立ち上げることにしたのです。